投稿作品集 > 濡れた体操着

このストーリーは、bbs にて、のりぞう 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は のりぞう 氏にあります。



須藤明美の卒業した中学校の体操シャツの生地は薄かった。どれぐらい薄かったかと言えば、普通にしていてもブラジャーのラインが薄らと透けて見えるぐらい。

普通の状態で薄らと透けて見えるぐらいだから、体育や部活なんかで激しく動いた後に汗を掻くと大変なことになる。シャツが肌にベッタリとへばり付いてブラが透け透け状態。

肌の色まで透けてしまい、ほとんど裸でいるのと同じ状態になる。何故、肌の色まで透けるぐらい体操シャツが薄いのかと言えば、校則通りの下着を着けてきているかを解かりやすくすると言うのがその理由だ。

明美の通っていた中学校の校則では下着の色は白無地と決められていた。

体操シャツからブラジャーのラインが透けて見えていたら、体育の授業の度に「お前、その下着少し派手すぎやしないか?」と、校則に違反した下着を着けてきた生徒を指導しやすいと言う寸法だ。

ハッキリ言えば、教師たちの都合と言う訳になる。

明美と限らず、中学校に上がりたての頃はブラが透けるのが恥ずかしくて男子や周りの目が気になっていたが、夏休み前ぐらいになるとブラジャーが透けていても気にならなくなっていた。

慣れとはそういうものである。水気に触れるとシースルーとは言わないまでも、それに近い状態になる体操シャツ。


明美たちは慣れが半分、諦め半分って気持ちでブラジャーが透けて見えるぐらいは容認していたが、彼女が中3の時のマラソン大会の時はどうしても我慢しきれなかったことがあった。

明美が通っていた中学校のマラソン大会は毎年1月にやっていた。冬場は天気が崩れる事が少ないとは言え、晴ればかりとは限らない。

その日の天気は朝から晴れだった。雨や雪の予報は出ていなかった。

絶好のマラソン日和。マラソン大会は、1年、2年、3年の順番で走る事になっている。まず、男子が先行してスタートを切った後、そのあとを追うように女子がスタートする。

1年生が走り終えた後、2年生がスタートして、2年生の生徒が全員ゴールした後、最後に3年生がスタートすると言う感じで行っていた。

それは、マラソンを走り終えた1年生達が次々にゴールを切り始めた頃だった。それまで晴れていた空にドンヨリとした雪雲が流れてくると、見る見る内に空が一面灰色一色になっていった。

(これは、雪か雨が降るかも)

明美はそんな事を思いながら空を眺めていたら、北風に吹かれて粉雪が舞い始めた。始めはチラチラと舞っていた程度の粉雪だったが、1年生が全員ゴールし終える頃になると雪の粒が大きくなって、風の勢いも増してきた。


天候の悪化は避けられない。このままマラソン大会は中止になるのが普通であるが、彼女の通っていた学校はそうではなかった。

マラソン大会の写真で、吹雪の中でも半袖ブルマ姿で頬っぺたや太ももを真っ赤にしながら走らされている女子生徒の写真を見た事があるが、明美達もそんな彼女達と同じ状態で走る事になったのだ。

猛吹雪の中を半袖シャツにブルマ姿で走らさせるなんて今の世の中では絶対に問題になる筈だが、この時、問題になったのはそれとは別の事。

この時、先生達が問題にしていたのは生徒が身に着けている下着の事であった。

最初にお話したが、水気に触れると透け透け状態になる体操シャツだから、水気に触れると上半身はブラだけで走っているのと同じ状態になってしまう。

『薄らとブラジャーが透けて見える範囲は問題ないけど、丸見え状態はマズイだろう』

教師たちの間でそんな話し合いをされていると思いきや大違い。


明美が通っていた中学校では以前にも似たようなことがあった。その時はマラソン大会ではなくて体育大会であったが、体育大会の途中で雨が降り出したのだ。

この時も今回のマラソン大会と同様に雨の中で体育大会を続けたが、この時問題になったのは下着の替えの事。

その日は雨が降る事など想定していなかったから当然、下着までずぶ濡れ状態。体育祭が終わった後、男子も女子も濡れた下着を着けたままと言う訳にもいかず、ノーパン、ノーブラ状態で制服を着て下校した事があった。

下着なしで制服を着せるのは可哀想だ。教師達はこの事を教訓にして、もし、途中でアクシデントが発生したら生徒達に下着を脱いでもらい、直に体操着を着て続行する事を取決めた。

そんな取り決めをするぐらいなら、替えの下着を用意させた方がいいと思うのだが、世の中は理不尽にできている事がその取り決め一つとっても容易に解る。

それはともかくとして、その日はその取決め通り、「今から教室に戻って下着を脱いで来い」と先生から指示が出た。

先生からの指示でブーイングを上げたのは明美たち女子生徒。下着なしで体操シャツが透ければ、ブラジャーではなくてオッパイそのものが透けて見えてしまう事になる。

しかも、オッパイをさらけ出しているのと同じ状態で町の中を走る事になる。ブーイングの声が上がって当然である。


「下着が濡れてもいいからそれだけは赦して下さい」

そんな明美達の想いなど聞き届けられるはずもなく、「下着が濡れないようにする先生達の配慮を無駄にするのか。決まり事は従え。中学生の青臭い乳など見ても誰も喜ばないわ」と逆に怒られてしまったのだ。

教室に戻って渋々下着を脱ぐ明美達。田舎の学校と言う事もあって男女同室着替え。

当然、体操着を脱いで下着を取るなんて言う訳にもいかず、体操シャツの中に手を入れて器用にブラを外すと、今度はブルマの中に手を突っ込んでブルマの裾からパンツを脱ぐ方法で下着を脱いだ。

明美達が下着を脱ぐ時、男子達は挙動不審。体操着の下から下着を脱いでいく女子の姿に目のやり場に困ったのだ。

ノーパンノーブラの体操着一枚の格好になると、吹雪の中に戻って行った。

吹雪の中、寒くて冷たくて、ガタガタと震える生徒達。吹雪いた雪がシャツに付着するたびに段々と肌の色が透けだしていく。明美達は段々と透けて行く体操シャツに恥ずかしさと突き刺す寒さに震えながらスタートの時を待っていた。

2年生達が走り終わって明美達3年生がスタートする時には上半身は丸裸状態になっていた。濡れた体操シャツがベッタリと肌にへばり付いて、バストラインと乳首の突起を浮き上がらせていた。


オッパイ丸出し同然の女子達の姿を見た男子達は大喜びと思いきや、男子達は伏し目がち。彼らは意外とシャイで、胸を透けさせた女子達が男子に近づくと、男子達は顔を真っ赤にして顔を背けていた。

同級生の裸を前にすれば戸惑いを覚えるものだ。逆に女子の中には異常なまでに恥ずかしがる男子達の姿が面白くて、進んで男子達をからかい始める子も居た。

「私達のオッパイをタダで見せたんだから、他のクラスの連中に負けたらお仕置きだからね」と脅かしてみたり、女の子数人が恥ずかしがっている男子の前でジャンプして体操シャツの胸元を揺らしてみたり、大胆な子になると、気になる男子に胸元を引っ付けたりして男子達の初心な反応を楽しんでいた。

そんな初心な男子達をからかっていられたのもスタートを切る直前まで。いざ、スタート位置に着いてこれからオッパイが透け透けの状態で町の中を走ると思うと再び恥ずかしさが込み上げてきたのだ。

男子達が走り出して「ヨーイ、スタート」と先生の合図で男子との時間差で明美達は一斉に走り出した。

明美は巨乳とは言わないにしても、そこそこ胸は大きい。走るたびにオッパイが揺れて走りづらい。

彼女の胸はプル、プルって感じの小さな揺れ具合だだが、大きな胸の子になるとプルン、プルンと激しく揺れてとても走りづらそうだ。


女の子の身体に興味のある明美は、オッパイを揺らしながら走っている同性の姿に胸が熱くなっていた。

明美達が学校の敷地を出て町の中を走ると、吹雪にもかかわらず沿道には近所の人たちが応援に駆け付けていた。

沿道で応援している人の中には知っている顔もある訳で、沿道の人達に透けたオッパイを見られていると意識しているのと、胸を揺らしながら走っているクラスメイト達の姿に明美は集中して走る事が出来なかったが、彼女の目は胸だけではなくお尻にも注がれていた。

(あの子のお尻、小さくて可愛い……)
(あの子のお尻は引き締まって格好いいな)

明美は肩を上下に動かしながら自分の前を走っている同級生の女子生徒のお尻の品評会をしていた。

水気を帯びてビッチョリとお尻にへばり付くブルマ。パンツを穿かずにブルマの直穿きをしていたから、ブルマがお尻や股間にへばり付いて、脚を動かす度にお尻や股間の動きに合わせてヒップラインや会陰部のスジに沿って皺が寄る。

腰回りに密着したブルマの上にはお尻や股間のスジが浮かんでしまって、ブルマの上からでも女の子の秘密が丸解かりと言う訳だ。半分水着状態のブルマとシースルー状態の体操シャツ。

全身裸でいるのと変わらない姿で走らされたマラソン大会。それが、明美が中学3年生の時のマラソン大会の思い出に他ならない。


その日の夜、お風呂に入った明美は、洗濯機の中に入れていた濡れた体操着を取り出して、濡れた体操着を身に着けた。

(気持ち悪い……。でも、何か、頭の中がクラクラしちゃう)

一度脱いだ濡れた服を再び着るのは気持ちがいいものではないが、裸で濡れたままの体操着を身に着けると、昼間のマラソン大会の興奮が蘇ってきた。

(お風呂場だから少し汚しても平気だよね)

明美は濡れた体操着を着たまま湯船に浸かると、ブルマの上から股間のスジに沿って指先を這わせた。

体操着姿で湯船に浸かって自慰に耽る明美の脳裏には、息咳き切らせながら吹雪の中を駆けて行く濡れた体操着姿の同級生の姿があった。

(おわり)


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