投稿作品集 > タイムスリップ
このストーリーは、bbs にて、DD 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は DD 氏にあります。
朝、目が覚めると俺は中学時代に戻っていた。
中学生時代に使っていたベッドで目が覚め、体も中学生に戻っている。これは夢なんじゃないかと思ったが、そうではないようだ。
とりあえず、家族に不審に思われないように自然に振舞い、制服に着替えて学校に行く。俺の通っていた学校は自転車で10分くらいのところにあった。すべてが懐かしい。
校門のところまで来ると、あの頃と同じように竹刀を持った体育教師の松山が登校してくる生徒たちに目を光らせていた。
前方を歩いていた女子生徒二人が呼び止められる。
「お前たち、スカートが長いんじゃないか」
物差しでスカート丈を計られる女子生徒たち。
「3センチも長いじゃないか。服装違反だな。後ろを向け」
女子生徒たちは言われた通り後ろを向き、尻を突き出す。松山は二人の後ろに立つと、竹刀で一発ずつ尻を叩いた。
一礼して下駄箱に向かう女子生徒たち。懐かしい光景だ。今だと問題になるが、この当時は当たり前だった。
うろおぼえで教室にたどり着く。えーと、たしか自分の席は……。あった。ここだ。急に中学生の自分に戻り、なんだか落ち着かない気分だった。
と、いきなりバッシーンと背中を叩かれた。振り向くと、ニヤケた顔の男子中学生。えーと、こいつの名前は……。
「おい、立川。どうしたんだよ、ボーッとして」
「あ、いや……」
そうだ! 相葉! 相葉隆だ!
「ところでさ、明日、どうするんだよ」
「明日?」
「バカ、おまえ、明日、『ロッキー3』いっしょに観にいく約束だろ?」
ロッキー3!
そうだ。忘れもしない、あれは7月9日。相葉と『ロッキー3』を観に行く前日のことだ。女子バレーボール部員全員が顧問の松山に怒られ、全裸で練習させられた日だった。
そのことを後で知った俺は、放課後、相葉に誘われてゲームセンターにさえ行かなければ、その光景を見られたのに……とずっと後悔していた。
「12時くらいに駅の改札でいいんじゃないか」
「オーケー。じゃあ、12時な。ところで、今日、ゲーセンに行かないか。『ポールポジション』がついに入ったらしいぞ」
なにが『ポールポジション』だ。今さらそんなレトロゲームで興奮するかよ。
「悪い、今日は用事があるんだ」
「そうか。じゃあ、他のヤツ誘って行ってくるわ」
始業のチャイムが鳴る。担任の赤間が教室に入ってきた。
「起立! 気をつけ! 礼!」
学級委員の号令で朝の挨拶。全員着席して、赤間が出欠を取り始める。
女子生徒が一人、遅れて入ってきた。確か名前は森川緑。
「森川、遅いぞ。前に来て正座」
森川はふてくされながら、黒板の前に行き、こちらを向いて正座する。その後も数人、遅刻して前で正座させられる。
ホームルームが終わると、遅刻した生徒たちは黒板に手をついて尻を突き出すように命じられた。
赤間が定規で一人10発ずつケツを叩いていく。女子は森川ともう一人、石野美穂の二人。痛そうに尻を押さえながら席に戻る姿がかわいかった。
短い休み時間の後、一時間目は数学。担当は星野という若い教師。ちょっとイケメンで、女子に人気があった。しかし、怒るとめっちゃ怖い。
俺は殴られたことなかったが、生徒がビンタされているところを何度も見たことがあった。女子にも容赦ない。朝礼の後、星野が担任をしているクラス全員がビンタされているのを見た時は驚いた。
二時間目の化学は教師が休みで自習だった。しかし、静かに自習していたのは最初の10分だけ。そのうち、あちこちでおしゃべりが始まり、やがて大騒音となる。すると、いきなり扉が開いて、星野が現われた。一瞬で静まり返る教室。
「おまえたち、なに騒いでるんだ。学級委員、前に出ろ」
学級委員の田中正人と白井郁美が前に出る。まず、田中をビンタ。続いて白井。
「おまえら、ちゃんと静かにさせろ」
「はい」
声を揃えて返事をする学級委員たち。星野が出て行った後、重たい空気だけが残る。白井のほっぺがじんわり赤くなっていた。その後の20分は誰一人おしゃべりせず、真面目に自習していた。
三時間目の日本史は浦沢という女性教師が担当で、彼女のあだ名は「ヒステリック浦沢」。とにかく女子に厳しい。
彼女が担任をしているクラスでは、女子だけ下着検査があった。放課後、女子だけ教室に残され、ブラジャーとパンティーの色を一人ずつチェックされる。
合格すればそのまま帰れるが、違反者は制服を脱ぎ、下着姿で黒板の前に一時間に立たされる。
毎回、数人が引っかかり、一度、相葉と見物に行ったことがあるが、その時は五人の女子が罰を受けていた。はずかしそうにうつむき加減でモジモジしている女子の色とりどりなブラジャーやパンティーを今でも鮮明に思い出せる。
浦沢は授業が始まるなり、「宿題を集めます」と言った。
一人ずつ、教卓の前に宿題のプリントを出しに行く。俺もノートに挟んであったプリントを持って、立ち上がろうとした瞬間、急に記憶がフラッシュバックした。
そうだ。この日、当時片想いしていた西原由佳が珍しく忘れて、罰を受けたのだ。宿題忘れの罰は廊下で尻叩き。男子はズボンを下ろし、女子はスカートを捲くって下着の上から叩かれる。
廊下に出て行く由佳を見ながら、「なんで宿題やってきちゃったんだろう」と後悔したことを覚えている。俺はプリントをそっとしまい、忘れてきたフリをした。
ほぼ全員宿題を提出し終わった後、浦沢は言った。
「忘れた人は廊下に出なさい」
俺は「しまったぁ」という顔をしながら廊下に出る。由佳ともう一人、陸上部の金田芳美という女子も立ち上がり、廊下に出た。
俺、由佳、芳美の順で並ぶ。
「三人とも壁の方を向いて。立川君はズボンを下ろす。西原さんと金田さんはスカートを捲くりなさい」
俺はベルトを外してズボンを下ろした。隣で由佳がスカートを捲くる。さりげなくチラ見すると、学校指定の白いショーツだった。その向こうでは芳美もパンツを出していることだろう。
「金田さん、その下着はなんですか。校則違反ですよ」
「すみません」
どうやら、芳美は学校指定の白いショーツ以外の下着を穿いていたらしい。
「放課後、社会科準備室に来なさい」
「はい」
どんな下着だったのか気になる。
浦沢は俺たちの尻を順番に五発ずつ叩いた。結構痛い。由佳が叩かれている時、こっそり横を見ると、痛そうに顔をしかめていた。
ズボンを穿いて教室に戻る。席に戻った由佳と芳美は普通に授業を受けていたが、彼女たちがさっきすぐ隣でパンティー丸出しの格好をさせられていたのだと思うと、授業に身が入らなかった。
四時間目は体育。プールの授業だ。水着に着替え、シャワーを浴びてプールサイドへ。女子も一緒だ。スクール水着の集団がまぶしすぎる。その中に由佳もいる。
準備体操の時、おしゃべりしていた女子がいて、水着の上から思いっきりケツをひっぱたかれていた。もはや名前も思い出せないほど地味な子だったが、かわいらしいお尻をバッチーンと平手打ちされる姿にドキドキする。
そして、いよいよ待ちに待った放課後がやってきた。
俺は速攻、教室を飛び出して体育館に向かった。女子バレーボール部の練習が始まる前に放送室に忍び込む。ここなら誰にも見つからず、たっぷり女子のハダカを鑑賞できる。
しばらくして着替えを済ませたバレーボール部員たちがゾロゾロと入ってきた。全員、今では天然記念物モノの赤ブルマだ。むちむちの太もも。膨らみかけた胸。由佳もバレーボール部員だった。
準備体操を始める部員たち。もうその姿だけで、たまらない。やがて竹刀を手にした松山が入ってくる。
整列する部員たち。
「お前ら、大事な試合の前だから、気合い入れてけ!」
「はいっ」
練習が始まる。ボールが由佳にバウンドする音に混じって、松山の怒鳴り声が響き渡る。
「バカヤロウ! 何やってんだ、おまえ! 宮下、そいつをビンタしろ! 思いっきりだぞ!」
キャプテンの宮下沙耶夏がミスした後輩の頬を張り飛ばす。
「宮下、やれ!」
「宮下!」
「宮下、二発だ!」
休みなく、部員たちをビンタしていく沙耶夏。後輩だけじゃなく、同期にも容赦なく平手打ちが飛ぶ。由佳も二、三回ビンタを張られていた。噂には聞いていたが、実際に見ると想像以上にスパルタだ。
「やめっ、集合!」
号令がかかり、松山の周りに部員たちが集まる。
「西原、おまえ、やる気あんのか!?」
「ありますっ!」
「じゃあ、何で同じミスを何回もしてんだよ。おまえなんかいらねーよ、帰れ!」
「嫌ですっ」
「嫌じゃねーよ、帰れっつってんだよ!」
「がんばりますっ」
「がんばりますって、口だけじゃねーかよ。本当にがんばる気あるなら態度で示せ!」
すると、由佳はいきなりブルマを下ろし、松山に尻を向けると「お願いします」と言って、前屈みになった。当然、パンツが丸見えだ。
「お前らも連帯責任だ。そこに並べ」
まず沙耶夏が隣に並んで、ブルマを下ろした。他の者も続く。17人全員がブルマを下ろして下着の尻を突き出して並ぶ。
全員、純白のパンツ。それを端から順に松山が一発ずつ気合いを入れていく。叩かれた者は大声で「ありがとうございます」と叫ぶ。
壮絶な場面だ。これは写メで撮っておこうとスマホを取り出そうとしたが、この時代にあるはずがない。仕方なく、目と心に焼き付けておくことにした。
「西原以外は練習に戻れ。西原はケツを出してしばらくそこで反省してろ」
松山はそう言って、壁を指差した。由佳は「はいっ」と返事をして、壁の方を向いて立つと、下着を下ろして生尻を出す。引き締まった二つの丘。
思わず鼻血が出そうになった。あの由佳の生尻だ。もし中学生の時、これを見ていたら大変なことになっていただろう。いや、今でも十分ヤバい。
練習が再開される。由佳も許され、途中から合流する。
降り注ぐボールの雨。それを体力の限界まで追いかける部員たち。息は上がり、床に汗が滴り落ちる。ユニフォームはぐっしょり濡れ、下着が透けて見えていた。
ビンタの嵐もより激しくなる。部員を殴る沙耶夏自身もミスが増え、その度に自分で自分の頬を張り飛ばしていた。
だんだん動きが悪くなる部員たちについに松山の怒りが爆発した。
「おまえたち、この程度の練習でへばっててどうするんだ。気合いが足りないんだよ、気合いが!」
「すみません」
息を整えながらなんとか声を絞り出す部員たち。
「こんなんじゃ、試合は無理だ。棄権だな。恥をかくくらいなら出ない方がマシ」
その言葉に部員たちがうなだれる。
体育館を出て行こうとする松山を沙耶夏が呼び止める。
「待ってください。練習を続けされてください」
首を横に振り、聞く耳を持たない松山。沙耶夏が松山の前まで走っていき、食い下がる。
「お願いです!」
「どけよ」
「どきません」
「どけって言ってるだろ!」
松山が沙耶夏を突き飛ばした。立ち上がり、松山の足にすがりつく沙耶夏。他の部員たちも体育館の出口の前にかけていき、一斉に頭を下げる。
「そこまで言うなら根性見せろよ。素っ裸になって根性見せたら考えてやる」
そう言われて、真っ先にユニフォームを脱いだのは沙耶夏だった。まず、上を脱ぎ、ブラを外すと、ブルマをショーツごと脱いで土下座する。
身につけているものは、プロテクターとシューズ、それにソックスだけで後は丸裸だ。乳首も丸見えだし、ヘアや尻を隠すものもない。
他の部員も後に続く。全員、ユニフォームを脱ぎ、下着も取って裸になった。
さすがの松山もあっけに取られている。裸の17人が松山の前ずらっと土下座した。床には脱ぎ捨てられたユニフォームや下着。
ここまでされると、松山もさすがに折れるしかなかった。
「わかった。指導を続けてやるから、さっさとコートに戻れ」
「はいっ」
裸のまま、コートに向かう部員たち。こんな恥ずかしい格好をしているのに、みんな、どこか嬉しそうな表情だった。
練習は夜遅くまで続き、俺は由佳たちの裸をたっぷり堪能した。
ボーッとした頭で自転車をこぎ、家に向かう。その時、ものすごいスピードでダンプカーが俺の乗る自転車に突っ込んできた。
やばいっ!
赤信号だと気づいた時はもう遅かった。俺は跳ね飛ばされ、意識を失った。
気がつくと、俺はベッドの上にいた。周囲を見回す。どうやら現代に戻ってきたようだ。体も元に戻っている。やはり夢だったのだろうか。
翌日、会社に向かうと、フェイスブックの友人申請が来ていた。なんと、相葉からだ。俺が承認を出すと、「今度飲まないか」と誘われた。
その週末、俺は相葉と何十年ぶりに再会した。老けてはいたが、面影は残っている。中学生時代の思い出話を肴に盛り上がった。
「そういえば、『ロッキー3』見に行く前日、ゲーセンに行ったの覚えてるか?」
俺がそう言うと、相葉はキョトンとした顔をした。
「なに言ってるんだよ。お前、用事があるからって来なかったじゃんか」
なんだって? 俺は確かに相葉と一緒にゲーセンに行ったはずだ。ということはあれは夢ではなかったのか!?
「しょうがないから浜口と女子二人誘って行ったんだけど、先生に見つかっちゃってさ。次の日、指導室呼び出され、全員ケツバットよ。女子二人も下着下ろされてね。痛かったけど、森川と石野の生ケツ拝めたからまぁよかったかな」
それを聞いて、俺は相葉に嫉妬した。また、タイムスリップできないかなぁ。
<おしまい>
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