投稿作品集 > 体育教師奈津子 番外編 第1章 p.15

このストーリーは、bbs にて、ロッキー 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は ロッキー 氏にあります。



■ エンジェルズ-2 1年A組 藤原 政代 ■

「私も参加したかったなぁ。その手打ち式」
「全然、面白くなかったよ」

やっぱりバトン部の部長にして貰えばよかった。そうすれば堂々と参加できていたのに。今日はこれから、あの事件から最初の島田奈津子の授業だ。

本当に今日、授業があるのだろうか。他のクラスの授業ではすっかり元気がなくなったらしい。校門の立番でも心ここにあらずといった様子。特に、私と小町をみると一瞬怯えたような表情になる。

動揺を悟られぬよう意識しているのか、本当に一瞬だけど表情が変わる。ただ、あれ以来微妙な変化があったようで、鳴海聖子のダンス披露には島田奈津子も参加することになったらしい。

「絶対に晒し者にはしない。練習はきついけど一緒に頑張りましょう」と言って、励まし合って練習しているらしい。鳴海聖子的には、線対称な振り付けなど、一人よりもダンスの幅が広がって面白いらしい。

ただ、なんとなく弱々しい感じがすると言っていた。どこか不安そうというか自信がなさそうと言っていた。練習もきついはきついが、死ぬほど練習ということではなく、スポーツジムのダンス教室のような感じらしい。

私は行ったことがないので、よくわからない。ちなみに、衣装はサンバカーニバルより薄く細い衣装だ。このまえ、科学室で見せてもらった。


たまに勉強を習いに来るようになった、小町の友達の元サッカー部や元野球部のキャプテンなどは、今まで真面目だった反動が来たのか、それとも、もともとそうだったのかはわからいないが、「僕ならダンス無しでも充分抜けますよ!」「安心してください、穿いておりますってやってくれ」という衝撃の発言をし、二人共、鹿ノ倉高穂に叩きだされた。

他の女子が聞いたらショックを受けるから、絶対に言わないように言われているので内緒にしておいてね。鹿ノ倉高穂もそこそこ友達も戻ってきて、笑顔が戻りつつある。

ブルマは結局、普通のブルマにはしてもらえず卒業まであのブルマらしい。イコール、私達も卒業までが決定した。体育の授業だけだから別に良いけどね。

その鹿ノ倉高穂と島田奈津子も和解した。もともとあの二人は、過度なシゴキさえなければ、馬が合う二人であったんだとおもう。学校アイドル的優等生と熱血新米教師、お似合いな組合せでしょ?

鹿ノ倉高穂のクラスの授業でもケアレスミスを繰り返して生徒から失笑されており、自分も学校中から笑い者にされていた身としては、「気の毒で見ていられない」と言っていた。

一緒に笑ったりしないのかと聞いたら、自分は強い女の象徴のような先生のときだったら笑っていたと思うと言っていた。卒業までには元の島田先生に戻って、一回くらいは叱って欲しいと言っていた。

冗談ではない。こっちはあと三年も通わなきゃいけないんだよ? ずーーーと、落ち込んでてもらってていいよ。小町にも、一年くらいは様子を見ようと言っている。


新聞部の二人は、松任先生から写真の提供者について厳しく尋問されたが、最後まで口を割らなかった。部長は先日、勇退の挨拶に来ていた。木元静江も記事を書かせてもらえるようになり張り切っている。

今度はバトン部の取材をしたいと言っていた。私も行ったことないから、どんな人がいるのかわからないという話をしたら、早くいけと言われた。だって、めんどくさいんだもん!

授業が始まる。島田奈津子はいつもどおり、変なホットパンツをを履いている。本人がジャージというからには、ジャージなんだろう。

少しだが、デリケートゾーンに毛が生えはじめている。たぶん、擦れて物凄くチクチクしていると思う。いっそ、剃ったほうが楽じゃね? という長さである。

男性で言うと無精髭がちょっと伸びたぐらい。剃りが甘かったと言われればそれまでの長さ。でも、この格好で剃りが甘かったはないわぁ。女子力以前の問題でしょ。

鹿ノ倉高穂から、先生のことは別に恨んではない、思い出したくもないがよくよく考えてみると、ひどいシゴキはやめた先生の方が多かった、というまさかのハシゴ外し的な発言も一瞬あったが、まぁあの状況じゃぁパニックでどうしようもないよなぁ。

どれが誰にやられたかなんて覚えていないのも無理は無いと思う。全校生徒からフルボッコにされてたわけだから。集団ヒステリー状態だったんだと思う。(原因を作ったのは私と小町だと思う。小町はたぶん違うと言っていた)

とりあえず、島田奈津子の指示には従って欲しいと鹿ノ倉高穂から言われているので、私と小町は素直に従っている。しかし、他の子達が完全に舐めてしまっている。見下しているのだ。(原因を作ったのは、私と小町です)


今までなら、揃っていたランニングもだらだらと走ってるし、柔軟に至ってはお喋りをしている子もいる。しかし、島田奈津子は注意を全くしない。できないのかもしれない。

ああ、これはもう駄目かもなぁと思いながら整列し、今日の説明をうける。今までならピリッとした空気だが、聞いたみんなは談笑したり、ぼーっとした顔をしている。

「今日は……」

島田奈津子の声も全く聞こえない。いつもなら「先生聞こえません!」とかからかうんだが、それすら出来ない様子。今にも泣き出しそう。小学生が悪いことをして反省文を読まされているみたい。

こういうときほど、小町△の出番でしょ。さぁ、場の空気を変えてくれ! と思って隣を見ると。

「来ないで! 来ないで! 無理! 無理!!」

小声でつぶやいでいる。あの日か? ふぅーんと思っていたが、視線の位置がどうも違う。島田奈津子より、もっと後ろを見ている感じだ。私は、そんなに目が良くない。裸眼で生活に支障はないが、運転免許をとるならメガネが必要らしい。

竹刀を右肩に乗せて、明らかに虫の居所が悪そうなオーラをプンプンさせた三井雪菜の姿がうっすら見える。小町はあの先生が学校で一番苦手だ。話が通じないらしい。

世の中の半数以上の人は一度で小町の話を理解できないのだが、それはまぁ言わないでおいた。親友だから。


横のバレー部二人は、お喋りに夢中で気づいていない。おい、やべぇよ。あれ、餌を探しに山から降りてきた熊みたいな状態だよ。剣道三倍段というのを聞いたことがあるだろうか? 剣は三倍の間合いがあると意味だ。

ユラっと島田奈津子の横を通り過ぎると、ヒュッと風をきる音がした。ビシ、ビシと何かが叩かれる音。

「その元気がバレーのとき1%でも出せてれば、もうちょっと3年生もウチでバレーできたろうにな!!」

何故ここに三井雪菜がいるのか、まだバレー部二人は理解できていない。三秒以内に返事をしなかったので当然鉄拳制裁である。(この場合、竹刀だが)

「大人しくしてるのは、私の前だけ??」

容赦なく竹刀が振り下ろされる。二人が地面に倒れる。

「痛いの? これってしごき?」

「いいえ!!!」

二人が素早く立ち上がる。

「真田優子! お前ももだよ!!!」

もう一人のバレー部員、真田優子が殴られる。(うちのクラスには三人いる)


「さっきから職員室からみてれば、授業中にヘラヘラしやがって。白い歯みせんな! 気をつけの踵ちゃんとつけろ! 隙見せんな!」

慌てて気をつけの姿勢をしなおす、バレー部三人衆。

「島田先生!」

ビックと島田奈津子の背筋が伸びる。

「教師として、大人の女性として、年長者として、威厳を取り戻してください! 小娘との格のちがいを見せつけてください!」

「えええっと……」

島田奈津子がモジモジしていて、なかなか懲罰と言えない。よほどトラウマになっているのだろう。チッと大きく舌打ちすると、三井雪菜がものすごい力で竹刀を地面に叩きつける。

バキッという音と共に竹刀が折れた。震え上がるクラスメイト。

「懲罰だぁ! お前ら全員が力尽きるまで、エンドレス腕立てだ!! 次の授業も、その次の授業も腕立てだぁ!!」

バレー部三人衆は素早く腕立ての姿勢になる。

「聞いてなかったか? お前ら全員っていったよな?」

え? 私と小町はちゃんと話し聞いてたよ?


「ワンフォアオールオールフォワンだよ。理事長がこの精神で学校をよくしようって言ってたろ?」

「はい!!!」

え? 小町さん、このタイミングっすか? バレー部三人衆より返事が早いってどういうこと? てか、腕立てする気マンマンじゃないですか? そんなにこの先生苦手なの?

「おお、源、お前素直になったじゃないか。早く、真人間になれるといいな」

「はい!」

一人また一人と腕立ての姿勢を取っていく。この前と違うのは恐怖のみで動いているという点だ。

「おい、真田! お前クラス委員だろ! 本来なら先頭切ってクラスまとめないといけないんじゃないの!」

「はい! すみませんでした!」

「数を数えろ!」

「はい!」

三井雪菜は1年生は担当していないため、名前をほとんどわからないのだ。ブルマ等には書いてあるが、恐らくそれを見る気もないくらいブチ切れているのだ。


「一回目!」

全員が腕立て伏せをする。折れた竹刀を肩にあて、全員の状態をチェックする三井雪菜。

「おい、誰がそんな腕立て教えた? 朝までしたいか?」

バレー部三人衆は、腕の間隔を肩幅まで広げ、足を180度に開く。その状態から尻を極端に突き出し、体を地面スレスレまでおろし、腕の力で体を前にそらし、回転させるようにして体をそらし、ブルマの先端が地面スレスレにつくほどエビ反りに捻るのだ。

そして、最初の尻だしの体勢に戻るのだ。地面に接するのは足の先と掌だけである。英語にすると、ダイブボンバープッシュアップという名前の必殺技みたいなやつだ。

お尻を突き出して前後にグラインドさせているようで、後ろからみるととても卑猥だと思う。本で読んだが、セックスの動きは左右にふるよりも、前後に振ったほうが近いらしい。

男性を誘惑する時はソッチのほうがいいんだよ。小町はどこでそういう知識を得てくるんだろう? 男子の前で言ってないよね? そういう下ネタ。

後で聞いたらバレー部の腕立て伏せはこれらしい。バレー部は入部希望者が多いので、入部テストから一年位は、これと球ひろいと雑用が1年生の仕事なんだとか。


名前も覚えてもらっていないらしい。今日はじめて監督に話掛けられた。同級生に差をつけることが出来た、と三人は言っていた。こういう覚えられ方なら、覚えられない気もするけど、それほどまでに熾烈な部内競争なんだとか。

ゴールデンウィークの練習試合では、格上相手に勝利したにも関わらず、試合中、白い歯を見せた、気の緩みが見える、という理由で、レギュラー・ベンチ入り全員が、一ヶ月間全裸で練習の始まりから終わりまで、ひたすら逆立ちをさせられたらしい。

2年の先輩達と3年のベンチ入り以外のメンバーは、普通に目の前で練習をしているなかでの逆立ちで、まるでそこに存在しないかのように無視され、三人衆を含む1年達は、ひょっとしたら誰か脱落するんじゃないかと思っていたけど、誰一人脱落せず、泣き言も言わず、それどころか一言も発せず、毎日1年生の掃除が終わるまで逆立ちを続けていたんだとか。

そんななかで真田優子が一人覚えられているのが、どれだけ凄いことかわっているだろうか?

確かに背は185cm以上あって、ショートカットだし、とても目立つが、クラス委員を押し付けられている時点でメンタル的はお察しくださいだ。彼女程、勝負事から遠い人物を私は知らない。

「私は島田先生とちょっと話があるから」

三井雪菜は腕立てを続けるよう指示すると、島田奈津子をつれて校舎裏へ歩いて行った。真田優子は大きな声で返事をすると、ひたすら大きなお尻を振り立てていた。

エンドレスっては次の体育の時間、男子にも女子にも見られるんだろうか。



■ エンジェルズ-3 商業コース担当 三井 雪菜 ■

真桑先生とMは、本当にエンジェルズにいれるつもりなのか?

エンジェルズってのはチャーリーズエンジェルから来てて、Mっていうのは007の上司から来てるらしい。昔ちょっと世話になって、それ以来頭が上がらない、首根っこを押さえられている、胸を揉みしたがれている状態です。

ああ、肉体関係とかそういうんじゃないですから。ワタクシ、彼氏居ますから。毎週○ャンプに出てますから。彼は海賊でコックをしているのです。

普段はバレー部の顧問もしているので、男性のような言葉を使っていますが、実はビクビクなのです。

もし殴り返してきたらどうしようとか、いつも怖いです。なにしろワタクシ背が高くて、全部アッパーカットみたいになるんです。女の子は小柄な体格の方がいいです。

「さっきのは、なんですか? どうして、注意しないんですか?」

島田先生の顔色が悪いです。今日の様子をみて、チョロいとおもった生徒もいると思います。ワタクシなら思います。

「私達は真桑先生の右腕です。私達の失態は真桑先生の失態です」

「すみません、すみません」


こういうキャラだったっけ? どっちかっていうと、「みなさんが力不足だから、私が選ばれんでしょ?」みたいなタイプでしょ? おどおどしていて、ちょっとシゴキたくなるのです。体育教師なのに、何でこんなに声小さいのですか?(偏見です)

なにが、『年も近いから若い者同士のほうが気も合うでしょ? 貴方達四人で面倒見てあげてね(ハート)』ですか。絶対、厄介事押し付けただけですよぉ~。この格好じゃぁ、痕になるから、腹パンも出来ないしなぁ。

右のピンク色の乳首を思いっきりつねってみました。目をぎゅーと閉じて、口は真一文字につぐんでいます。折れた竹刀を地面に置いて、左側の乳首もつねってみました。ウーんといううめき声が少し聞こえるだけです。

「全裸になってください」

島田先生は、あっさり服を脱ぎました。これじゃ、単なるイジメになってしまいます。

「少し毛が生えてきましたね」

失った自信を回復させるには、まず大人の女の証(下の毛)を戻してやるのが良いと、Mが真桑先生を説得したのです。

島田先生は顔を俯けてしまいました。伸びてきたというプラスよりも、剃られられていたというマイナスの方が強くイメージされてしまうのしょうか。

その後も、腕をおもいっきり上げてジャンプさせてみるなど大きな声を出させようと思ったのですが全く効果がありません。むしろ逆効果になっています。

これはちょっと、ワタクシの手には負えそうにありません。他のメンバーに任せることにします。


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