投稿作品集 > 体育教師奈津子 番外編 第1章 p.01

このストーリーは、bbs にて、ロッキー 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は ロッキー 氏にあります。



■ 登場人物 ■

・藤原 政代

高校1年生。科学部のちにバトン部非正規部員(通称裏生徒会)副会長兼任になる。平安時代から続く名門の家の一人娘。政財界に大きな影響力を与えてきた実家はいわゆるフィクサー。

文武両道に優れ、成績は学年トップで全国レベルでもトップクラスの学力を誇る。ハーバード大学経済学科を15歳で主席卒業しており、外国語も堪能。人並外れた運動神経を持ち、幼少時より武道の手解きを受けているため、優れた格闘センスと人間離れした軽い身のこなしを持ち合わせる。

趣味は、可愛い女の子(主に小町)の困った顔を見ることと。将来は専業主婦になりたいと考えている。天真爛漫な女の子。

・源 小町

高校1年生。科学部のちにバトン部非正規部員(通称裏生徒会)会長兼任になる。政代とは幼馴染。IQ300。マサチューセッツ工科大学理学科を15歳で主席で卒業している天才少女。

常に存在感がある政代の隣にいるために、地味な印象となっているが、実はかなりの美少女である。場の空気を読むことが苦手なため、腹黒いところと思われがちたが、その誰に対しても一貫した姿勢から男子生徒だけでなく女子生徒にも人気がある。

政代に負けず劣らずの才色兼備ぶりで、政代ほどではないが、名門の家の出身らしく高いレベルで、実戦的な古武術も習得している。

趣味は、証拠を一切残さずに授業を妨害する「授業テロ」(奈津子と真桑にはやらない)や、ハッキングや裏工作などの漫画的諜報活動。将来は研究医になりたいと考えている。

・真桑 健一郎 数学教師。科学部顧問。サラリーマン教師。

・島田 奈津子 体育科教師。



■ 文化祭-1 1年A組 藤原 政代 ■

(1)

窓に暗幕をしているため真っ暗な科学室。外ではガヤガヤと楽しそうな声が聞こえている。

一箇所だけ照明のついた黒板の前では、白衣を着た小町が、パワーポイントで説明をしている。無表情でたんたんと説明をしている。卑猥な説明も、まるで医者が患者に症状を説明しているようだ。

「このように、女性の体は、常に変化しており……」

スライドショーに映し出される全裸の鹿ノ倉高穂。写真の左隅に3年4月と書いてある。男子生徒たちは、授業より真剣な眼差しで、配布資料を見ている。

「説明してる子って、あの噂の変わり者?」
「ああ、MITだか、ハーバード出てるのに、うちにきたお嬢様だよ」
「頭いいのに、結構可愛いよな」
「バカ、あの子は辞めとけって。渋谷で声をかけたホストが、次の日の朝、東京湾で死んでたらしいぜ。顔はもうボコボコだったらしい」
「その噂、俺も聞いた。コンビニで絡んだ不良の家に、ヤクザ御一行が来たとか」

嗚呼、小町がわざわざ日本に帰ってまで望んだ、『普通の高校生活』とは、大きくかけ離れてるなぁ。私もその場にいたし、やったのはボコボコまでだし。


「ところで、鹿ノ倉元副会長はどうして震えてるんですか? そんなに、嬉しいんですか? あんなに練習しましたもんね。笑顔でがんばってください。推薦もらえませんよ」

無言で顔を俯ける全裸の鹿ノ倉高穂。ふん、庶民のくせに、イキガッてるからこうなるのよ。

「それでは、最新のデータを測定して、データが正しいか確かめてみましょう」

フフンと鼻を鳴らす。

黒板の前に、プルプルと震える鹿ノ倉高穂を立たせる。おおっという歓声と、ああ、という女子の嘆き声が聞こえる。それもそのはず、鹿ノ倉高穂の臍から肛門の穴まですべてが丸晒しになっているのだ。

「それでは、被験者の方は、自己紹介をお願いします」

照明が切り替わり鹿ノ倉高穂だけが照らされる。

「鹿ノ倉高穂……、高校3年生です。バスト88cmCカップ、ウエスト57cm、ヒップ91cm、陰核直径9mm、長さ14mm、大陰唇の長さ8cm、幅5cm、深さ15cm、肛門の皺21本、陰裂長12cm……小陰唇幅1cm……」

体育祭の後からの猛練習の成果で、スラスラと述べる。まぁ、別にこの数字自体、裏サイトに写真付きで公開されてるから、目新しい情報じゃないんだけどね。まだまだ、お楽しみはこれからよ。

教室の後ろで腕組みをして立っている真桑先生は、ニヤニヤと笑っている。


「鹿ノ倉さんは毛を剃ってっしゃるのですか? それとも、無毛症なのですか?」

男子と女子のクラス委員が交代で、毎日ツルツルになるまで剃ってるじゃん。みんなそんなこと知ってるよ。

「小学校6年生のとき生え始めました……。今はブルマを履くことも多いので剃っています」

「なるほど、島田先生の指導を生徒会引退後も忠実に守ってらっしゃるんですね」

小町が無表情で股間に小型カメラを渡す。万が一、抵抗したときやに備えて立っていた私はそれを受け取ると、鹿ノ倉高穂の足元にしゃがみ込む。鹿ノ倉高穂は大の字を作るように、大きく股を広げる。

「すいません。どこに入れるのかわからないので、あそこ広げてもらっていいですか?」

鹿ノ倉高穂が顔を赤らめる。

「ああ、別に変なとこに入って、どこかの膜が破れても良いんであれば……」

言い終わるより、はやく大陰唇に指がかかる。しかし、もちろんすぐに入れない。カメラを近づけたり、離したり、しばらく弄ぶ。


黒板にはカメラの映像が表示されている。突然、ええっという歓声があがる。皮を剥かれ、剥き出しになった陰核が映ったのだ。むき出しの陰核には、金属製のリングと透明なプラスチックキャップが装着されている。リングは陰核に食い込んでいる。

「いくら、校則で指輪を禁止されてるから、こんなところに指輪してるんですか?」

チョンチョンとつついてみる。

「痛いです。もう外してください」

絞りだすように、蚊の鳴くような声。

「嫌です、せんぱいのここ、ビチャビチャだから触りたくないですよぉ。自分で取ったらどうですか?」

「わかりました……」

キャップはすぐに外れたが、食い込んだリングがなかなか外れず、鹿ノ倉高穂の顔が真っ赤になる。ときどきアンアンという喘ぎ声が漏れる。

本当は、鍵を私が持ってるから無理なんだけどね。練習のとき、顔を手で覆ってて見てないもんね。

「せんぱい、オナニーしてるみたいだから、はやくしてください」

会場から失笑が漏れる。真っ赤に腫れ上がった陰核。肥大化しており、もう皮では包み込めないだろう。

「それでは、測定に移りたいと思います。誰かお手伝いをしていただけませんか??」

一斉に男子の手があがる。さぁ、楽しいショウの始まりだ。


(2)

4月。土手に咲いた満開の桜。落ちた葉っぱが真っ赤な染まった地面に落ちる。体育館裏には、数十名の道着姿やジャージ姿の男女が倒れている。地面には鉄パイプや金属バットが赤く染まって落ちている。

庶民の分際で、平安時代から、日本の政を影から操ってきた藤原家に勝てるとでも思ったのかしら? これでも、物心ついたときから護身術とかをならっているのよ。まぁ、庶民には関係ないことですわね。

手に持った折れた竹刀で倒れている男の一人の背中を叩く小町。痙攣するジャージ姿の男子生徒。ノートに何かを書き留める小町。

「これが新入生イビリってやつですの?」

なんで嬉しそうなんだろう。

「次は、何があるのしら。楽しいイベントだったですわね。漫画で予習したとおり、次々と出てきて楽しかったぁ」

小町はハンカチで血のついた拳を拭きながら、何故か満面の笑みを浮かべている。やっぱり、付いてきてよかったかも。倒れている女子生徒のシャツで、靴についた汚れを拭う小町。


「そこの二人! 何してるの! 指導室にきなさい!!!」

まぁ、当然そうなるよね。うん、常識的かつ当たり前の判断ですわ。

「政代ちゃん! 聞いた? 聞いた? 何やってるの! だって。ドラマのとおりね!」

興奮した様子の小町。

「あのさぁ、小町さぁ。普通の女子高生ライフ体験したいんじゃなかったの??」

「兵法の一つよ。最初が肝心なの」

それはわかるけど、面倒じゃん。まかり間違って退学とか困るんじゃないの?(多分ないけど)私は別に良いけどさぁ。

生徒指導室には、机を挟んで椅子が向かい合っている。

「失礼しまーす」

まるで、物置みたいな部屋だなぁ。なんで生徒指導室に鞭とか、竹刀があるんだろう??

「これで殴ったりするんですか?」

目を輝かせている小町。何故、そんなに嬉しそうなんだ?

「今日はしません」

「なんだぁ。せっかくドラマで予習してきたのに」

ああ、この前見てた熱い先生のドラマね。このジャージの先生。島田先生っていうのか。


「あなたねぇ。さっきからキョロキョロして反省してるの? なんでここに呼ばれた分かってるの?」

そりゃぁ、怒るよね。

「いや、それが全くなんでか、わからないんですよ。いきなり、先輩達が調子にのんなって、殴りかかってきたんですわ」

事実なんですけどね。信じられませんよね。ただ、殴りかかる前に、体育館裏で部活の準備をしていた先輩達を、小町がネチネチ挑発したんですけどね。言葉は証拠に残りませんからね。

「うちの格闘技系の部活や、剣道部は優秀な成績を収めているはずなんだけどね」

先生それはしょせん、庶民の大会ですよ。父や小町の伯父さんが言うには、本当の武芸者は、そんなスポーツの大会には出ないらしいですよ。武道家は試合ではなく、死合をするのだ、とか言ってました。私も初めて聞いたとき、意味がわかりませんでした。

「先輩達は私達が悪いって言ったんですか?」

一瞬、空気がぴりっとする。

「いえ、まだ口も聞けない状態です」

ああ、先生ちょっとひきっつてるよ。

「じゃぁ、先生は何の証拠もなしに、私達を犯人扱いするんですか?」

いや、犯人扱いも何も、よくも、まぁそんな事言えるなぁ。靴を吹いてましたよね。バッチリ見られてたじゃん。(多分)

「先輩達が話してくれて、真相がわかるといいですけどねぇ」

小町がわざとらしく溜息をつく。いや、無理でしょうって。あんな目にあって、私達に挑発されたなんて言ったら、次はどんな目にあうかわかんないですって。

「そろそろ、お迎えの時間だわ。それでは先生ごきげんよう」

いや、このタイミングで? マジで? そういう空気じゃなくね? 小町からごきげんよういう空気じゃなくね? 私も帰る。一緒に帰る。絶対帰る。



■ 文化祭-2 1年A組 源 小町 ■

今日はどんなイベントが待ってるのかしら? あ、その前に部活動何にしようかしら。政代ちゃんも部活はいるのかな。上下関係? とかよくわからないから、文系の部活動が良いんじゃないかしら。科学部とか面白そう。実験とか楽しいもの。

リムジンの窓から、通学途中の生徒達が見える。政代ちゃんは、さっきから、スマートフォンでなにかやっている。

「お嬢様、例の件です」

執事の服部さんが、A4用紙を渡す。

「なんでしたっけ?」

「お嬢様が昨日お話になっていた女性教員の調査報告です。あと、勝手ながら、主要な生徒の情報もまとめておきました」

「いつもありがとう」

「とんでもございません。お嬢様のためなら我々一度、火中にも入る覚悟でございます」

パラパラと報告書を眺めていると、政代ちゃんが横から覗き込む。

「普通の女子高生はそういうことしないんだぞぉ」

「普通の生活のために、こうして準備してるんじゃない」


私もいつか電車に乗ってみたいなぁ。自動改札とかみてみたいなぁ。でも、絶対、服部さん達ついてくるもんなぁ。アメリカでは専用機ばっかりだったから、電車乗ってみたいなぁ。

校門の前に静かに車が停まる。服部さんがいつものようにドアを開けてくれる。

「いってらっしゃいませ」

なんでみんなこっちを見てるのかしら? 政代ちゃんもなんですぐ離れちゃうの?? 校門をくぐると、昨日、新入生歓迎の挨拶をしていた鹿ノ倉先輩が走ってくる。

「ちょっと、あなた達、車で通学しているの? 歩いてこないと駄目でしょう!」

「どうしてですか?」

「校則で決まってるの! そういうルールなの!」

「なんでそんなルールがあるのでしょうか? 法律上なんの問題もないはずなのですが……」

「なんでって? ええ?」

鹿ノ倉先輩はちょっと戸惑っているようだ。そんな変なこと言ったかしら。


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