投稿作品集 > 体育教師奈津子 スピンオフ 補完編 p.07

このストーリーは、bbs にて、901 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は 901 氏にあります。



痛みを和らげ様と、腰を、双臀を、全身を使ってくねらせる女。

砂でも掴む様に、硬い床をカリカリさせていた女だが、どうにも堪らず仕打ちを覚悟で遂に臀部を擦ろうと手を廻そうとした……が、その手は自分の尻肉に触れる事もなく高野に掴まれ、背中に捻り上げられてしまったのだ。

「真ん中……えに上がれ……のポーズだっ。出来なけ……即……カスチェッ……」

“女”の耳元で話す高野の声。前列の生徒達には、話の内容が全て聞こえていた様だが、クラス全体には所々しか聞こえていない。

”女”は、我が耳を疑った……この場所、教卓横のこのスペースで、デッサンポーズをキメればそれで済むのだと思っていた。ところが、高野の考えは違っていたのである。

高野が見据える先、9卓有る机の真ん中にして、美術室の中心でもある机、つまり“それ”に上がれと言っているのだ。

抵抗したところで、結局は高野の思うがままにされてしまう。既に、高野は竹刀から“粘土ヘラ”へと(調教道具を)持ち換えていた。その事が、反抗や拒否は一切認めないという事を物語っている。


抵抗したところで、何一つ自分の特にはならない……何より会って30分も経たずに今迄がそうだったのだから……かえって最悪の結果を招くとも限らない……する事は只一つ、美術室の中心、指示されたその机に上がるしか律子に許される術、行動はないのだ。

【高野の行き過ぎともいえる行為に、充分抗議するに足る状況の筈なのに……正常な思考回路を破壊されつつある律子にとっては、そんな簡単な状況判断も出来ない程に追い込まれてしまっていたのである。

パブロフの犬とは違うが、高野が手に持つ“粘土ヘラ”、それを見ただけで、既に高野の指示を受け入れてしまうまでに成り下がっていた律子なのであった】

教卓横のスペースから、真ん中の机迄、“女”の通り道に面した生徒達は、男子も女子も皆一斉に椅子を引いた。一瞬にして、“女”の花道が出来上がったのである!

驚いたのは、真ん中の机の直ぐ後ろに座る生徒だった。目の前に突然花道が出現したと思えば、その先に“破廉恥極まりない風俗嬢紛いの女”の全貌が姿を現したからである。

(す……凄えっ!)

後席ゆえ、先程までその“女”の下半身の事情は分からなかったからだ。


その“女”は、もう美術教師に髪の毛を手綱として引かれる事はなかった。しかし、誰に指示されるでもなく、ピンと背筋を張り、手を頭の後ろで組んだ。所謂、直立姿勢での尻打ち懲罰刑待ちの格好で、そして、ナント堂々と歩き始めたのである。

高目のヒールを履いた時には、そうしないとだらしなく見えてしまう。そうその“女”は心得ている様だった。

しかし、その所為で、先程と同じ様に歩を進める度に、大きくはないが形の良い双乳が揺れると同時に、金色のニップルテープ先端にぶら下がるタッセルも、フルフルッフルフルッと妖しく揺れ動くのだった。

もうやる事成す事全てが、男子生徒達の目を喜ばせる結果と成ってしまうだけだった。

(すっげぇ! 超極小ショーツ……てかTバック? 何だよコレっ!)
(エロッ! ……てか光っちゃって……えっ! 何で? カラダ濡れてるの?)
(うぉ~凄えっ! ケ、ケツ喰い込んでんじゃん!)
(乳揺らして超スケベな格好じゃん! マジありえねぇ)
(このスタイルって湯島じゃねっ? つーかオケケ食み出してるし!)
(可哀相ーっ、ぷぷっ。なんか高野の手形、刺青みたい!)

先程より更に近く、自分達の目の前を闊歩して行く、破廉恥極まりない女の淫猥さに、男子生徒達の興奮も最高潮に達していた。


(あれ? 腰のあそこにホクロ! ……? ……! りつ……子、律子なの!)
(律ちゃん? ……嫌だっ、やっぱり律ちゃんなのね!)
(嘘でしょ! 何やってるのよ律子っ)
(湯島さ……ん……? ……! 一体どうしちゃったの!)

花道に面した席に座る仲の良い女子生徒達は、目の前を通り過ぎる“女”が、間違いなく“湯島律子”本人である事を確認していた。

(嫌だ、なんて下品な格好してんのよっ!)
(何! 態とらしくプルプル胸とお尻を揺すっちゃって、イヤラシイッ)
(やっぱり腰のヤツ! 特別懲罰刑の……同じヤツ……って……コレ湯島さんじゃん!)
(コノ女っ……どう見ても私達とたいして歳が……嘘っ! 湯島さん……!)
(あれっ? 他にも手形! ……てか何か、こびり付いてるしっ! 嫌だ汚いっ)
(特別懲罰刑の名札だ! という事は、このイヤラシイ女っ、うちの生徒じゃん!)

その“女”が律子と気付かず、蔑んだ目で見ていた女子生徒達。目の当たりにした事で、その“女”が成人女性ではなく、どう見ても自分達とそれ程歳が離れていない……つまり本校の生徒ではないかと気が付く。

というより、紛れも無い“湯島律子”その人だともうバラてしまったのであった。


(うわぁ~っ、終ってるわぁ、湯島律子っ。悲惨っ)
(何がデッサンモデルよっ。その気になっちゃって……ただの露出狂じゃない!)
(スッゴイ手形跡っ! 一体何個付いてんのよ……あの音、やっぱ高野に張られまくってたんだ。超うける! てかサンダルでアソコまで踏んずけられちゃって……ぷっ!)
(一端のモデル気取りが、何チリ紙カス付けて歩いてんのよ。バッカじゃない)
(ビキニライン足跡だらけじゃん! ……高野に登頂されちゃった? ぷぷっイイ気味っ!)

律子を良く思っていないグループの女子生徒達には、既にその“女”が“湯島律子”である事は、準備室から出て来た時点でバレてしまっている。男子の様に盛り上がるでもなく、中の良い女子生徒達の心配の眼差しとも違う、冷酷で蔑む視線を律子に向けている。

否、この場合それ以上というのか、それ以下というのか、もはや気取ってウォーキングしている様に見える律子の姿が余りにも滑稽で可笑しくて堪らなかった。

嫌いとか好かない、そして妬み等、ある一定のレベルを超えてしまうと、もうその相手をただただ馬鹿にして嘲笑う事しかないのかもしれない。

高野のモノと、一目で分かるドデカイ手形痕、そしてこれまた高野のモノと分かるドデカイサンダル履きの小汚い足跡……律子のカラダのあちこちに刻まれた、モデルと名乗るにはあまりにも身だしなみが整っていない……“あら”とでもいうのか……高野からの仕打ちの数々。


授業が始まる前、準備室側から聞こえて来た肉を打つ様な音の正体がコレだったのかと合点がいくと同時に、ここ(美術室)へ連れて来られての有様に、もはや律子が高野の言いなり玩具同然なのは、成子のグループには見抜かれてしまっていたのだ。

(コイツ、湯島だぁ!)
(ああ、湯島だなっ、間違いない!)

男子達は、目の前を通り過ぎる“女”の痴態を確かめると、口には出さないが、互いに目を合わせ合図していた。その“女”は湯島律子だと……。

(とうとう、ヨコズナの餌食に成ったかぁ!)
(しかし鬼畜だなぁ……倉内より酷い!)
(湯島には悪いけど……高野先生様ーっ、どうか湯島の事、徹底的にやっちゃって下さいっ! 頼んます!)
(これマッパより悲惨じゃん……恥丘にガッツリ足跡とか……湯島マジ終わったなぁ!)

【山口に限らず、律子が懲罰刑を受けるのを楽しみにしている男子生徒が何人も居るのは驚くべき事実であった! 普段は律子と仲良く接しているくせに、割とイケメンといわれる男子生徒達も、蓋を開けてしまえば所詮こんなモノなのである。

律子に対して気持ちがストレートな分だけ、山口の方がよっぽどピュアなのかもしれない。まぁルックスでは遠く及ばない訳だが……】


裸同然……否、裸よりも恥ずかしい格好で教室内を闊歩する“湯島律子”。本人は気付いていないが、下腹部廻りには、高野のモノと一目で分かる、ドデカイ手形と、ドデカイサンダル履きの足跡が無数に付いている。

特に、申し訳程度に股間に張り付く金色の股布から、食み出す様に見えるサンダル履きの足跡には、同性なら同情せずにはいられない酷い状態である事は間違いないのだが、男子生徒達にとっては、律子を良く思っていないグループと同じ様に滑稽な様に映ってしまうのだった……。

準備室から、ドスンバタン聞こえてきた音の正体が……ナント! 汚ったない男性教師のサンダル履きで女の子の大事な部分を踏んづけられていたのかと思うとゾクゾクしてしまう。

あの湯島律子だからこそ、理不尽な酷い仕打ちを受けている事に興奮してしまうのだ。

今目の前を、自信を持って然も見せ付けるかの様に闊歩する律子を見ていると、準備室でどんな事があったのか、何故デッサンモデルを、それも高野の授業でやる事になったのか、大事な部分まで足踏みされてしまう理由とは一体……。

深い理由、本当のところは何一つ分からないが、『真っ裸でデッサンモデルをしたい』と立候補して来たという高野の話は、満更嘘ではないのかもしれないと……もはやその話を疑う余地がなくなっていた男子生徒達であった。


机の前に立った律子は、高野を振り返った。もしかしたら、そこまでで良いと止めてくれるのではないかと淡い期待を抱いて……。しかし、高野はあっけなく、顎で早くやれと言わんばかりに律子に催促してきた。

「何、格好付けてんのよっ、繁華街に張ってある風俗のポスターにしか見えないのよ……ぷぷっ、はははははっ、気取ってるのが笑えるぅーっ」
「ねぇーっ、もしかしてぇ、本当にモデルに成った気でいるんじゃなぁーい」
「こんなエロモデル、いないっつーの」
「きゃははっ、居るじゃん目の前にっ!」
「てかモデルじゃないし。出張風俗嬢の間違いだって! そのポスターの! ぷっ、ぷぷぷっ」
「エロお姐ぇさん! (律子の纏う金色の衣装を指さして)それウケ狙い過ぎだってっ!」
「ぷぷぷっ……きゃはははっ。マジウるんだけど!」

白戸成子が言うと、堰を切った様にグループの女子が後に続いた。真ん中の机の前で、懲罰尻打ち刑待ち姿勢のまま、上半身だけ捻って高野を振り返った“女”の姿が、気取ってポーズを決める一端のモデルの様に見えたらしい。

しかも、“女”の正体は湯島律子だという事を、もはやクラスの半分以上が気付いているというのに、本人ときたら乳房にタッセル付の金色のニップルテープを貼り、下腹部には申し訳程度の面積しかない、これまた金色の股布を纏い、学校の一教室内でモデルを気取ってポーズをキメる“湯島律子”……成子達にとっては馬鹿にせずにはいられない状況ではないか。

当を得た、律子を馬鹿にする様な成子達の野次に、男子生徒達も思わずウケてしまい、美術室内にドッと笑いが起きたのだった。


教卓横のスペースとは雰囲気が全く異なり、360度、周りを全てクラスメートに取り囲まれたこの状況。

クラスメート全員に笑われる情けなさ……気丈に歩いて見せた律子だったが、今、自分はとっても情けない恥ずかしい格好をしているんだと、一気に現実に引き戻される思いだった。

先程みたいに、「私、そんなんじゃないんだよっ。本当はね……」今なら皆に対する言い訳も、高野に遮られずに最後迄言う事が出来るかもしれない。

しかし、ここで一言でも声を発すれば……超至近距離、間違いなく自分(湯島律子)と気付かれてしまうだろう。折角耐え忍んできたこれまでの我慢が、無駄となってしまうではないか……。

【湯島律子と自から公言して真実を話す……それとも正体がバレていない今、このままクラスメート皆の目を欺き通して最後迄終らせる……。そして、最初に高野や串田に念押しされた様に、懲罰刑として最後迄勤め上げる。

既に、幾分かの恥を皆の前で晒してしまった律子……今更公言しても……バレていないのなら、何故今自分の正体が湯島律子だったと公言する必要があるのか……短い時間の中、思いを巡らせるのだったが……。

皆に言い訳をして、自分の意思ではないんだと理解して貰う最後のチャンス。皆の前で恥を……大恥を晒してしまう前の最後のチャンス……真っ当な人生を歩む最後のチャンス…………結局その最後のチャンスを自ら逸してしまう律子だったのだ】


踏み台にする様、一つだけ置かれた木製の四角い椅子。その横にステージの如くそびえ立つ大きな工作机。そこへ、素っ裸より恥ずかしい衣装で上る律子だった。

「マジィ! スッゲー……後ろから見たら、もう真っ裸じゃん!」
「ああ、ひっ、紐! ……ヒモ……ひも……紐? ……紐パン?」

成子達が、“女”に対して心無い言葉を容赦なく投げ付けてからは、男子達も何遠慮する事なく、その“女”に対して思った事を口にし始めていた。

マスクはもとより、ケバイ化粧でじかに表情は見えないものの、野次の全てを聞いている律子の顔は紅潮し、情け容赦のない言葉に狼狽するばかりだった。机の上に立った律子は気が遠くなる思いだった。

教卓の横に立っていた時とは、比べ物に成らないほどの恥ずかしさだ。水平位置で対象物を見るのとは違い、下から上を仰ぎ見る。

それも360度自分を取り囲んで見上げる視線は他へ逸れる事なく自分だけを(顔を、乳房を、背中を、下腹部を、お尻を、脚を)遠慮なしに射抜いてくる。


律子は上体を落とすと、おずおずと高野が指示したポーズをとっていった。

直立状態での尻叩き刑待ちポーズのままで、そこに立っているよりも、逸早く指示された低い姿勢に成ってしまった方が、クラスメート全員からは、見難くなる筈と思えたからだった。

しかし、律子の特別ステージとなった工作机の周りには、誰一人座っていない、よって律子の思った状態に成る事はなかったのだ。ステージと化したその工作机は、クラスメートというお客さん誰一人として、クレームの出ない見晴らしに成っているのだ。

「「「ウォーーーーーツ!!!」」」
「「「エェーーーッ!!!」」」

本日何回目の歓声だろうか、男子の声に掻き消されてはいたが、初めて女子からも声が上がった!

机の上で律子が取ったポーズ。それは相撲の『はっけよい』その時のポーズであったのだ。

教卓を正面に向く状態で立ち会いとなる。律子の目の前、仲の良い友達の顔が何人か見え、目と目が合う! 自分の姿を凝視している……目の前の“女”(律子)の……余りにも衝撃的な姿に呆気に取られている様でもあった。


机の上に立った時、360度全周囲から視線を感じてはいたが、誰々が見ているという事までは意識しなかった。

少なくとも、クラスメート全員からは見難くなる筈と思っていた今の状態……どうやら目線が近くなったこっちの方が、最悪の状態だったのだと、初めて気付き蒼ざめる律子なのだ。

仲の良い友達から逃げる様に、視線だけ左右に逸らせてみた。男子達は、机を囲む右側も左側も、皆薄笑いを浮べて自分を凝視している。普段、仲良くして話をする男子でさえそうだったのだ……。

それはそうだ。殆ど裸といっても差し支えない“女”が、教室の真ん中、しかも机の上で何隠す事もなく、高々とケツを突き上げているのである。そんな光景を目にして、真面目な顔でいる方がおかしい。

女子は何か不潔なモノ、汚物でも見る様な険しい表情をしていた。その中には、仲の良い友達の顔も何人か居て、居た堪れない悲しい気分になった。つまり、今の自分はそれ程正視に堪えられない恥ずかしい? 惨め? そんな姿なんだと……。


inserted by FC2 system