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このストーリーは、bbs にて、のりぞう 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は のりぞう 氏にあります。
■ 大晦日の思い出編 p.02 ■
とにかく、退屈。それ以外には何もありません。冬休みの宿題をしているうちは、時間が経つのを忘れさせてくれましたが、それだって長続きするものではありません。
一旦、宿題の手を休めると、今度は孤独との戦いです。薄明りの灯った部屋の中。宿題以外、暇をつぶすものはありません。もしかしたら、暇つぶしで勉強をするなんて、学校に通いだして初めての経験かもしれません。
皆、今頃何をしているんだろうなぁ。遊びたいな。
ボ~としている私の頭の中に浮かぶのは、退屈の二文字だけ。必要な時以外に部屋から出ることが許されていない私にとって、トイレに行く時が唯一の楽しみみたいなものになっていましたが、それだって、何度も行けるものではありません。
何度もトイレに行っていては、神主さんや氏子さんたちに怪しまれてしまいます。私はボ~としながら、何故かお風呂の事を思い浮かべていました。
真っ裸でモジモジと恥ずかしがっている淳君の姿を思い浮かべると、思わず私の右手を袴の中に忍び込ませてしまいました。でも、私はアソコを弄ることが出来ません。
たとえ自慰行為だとしても、潔斎の最中は性的な行為を禁止されているからです。かといって、悶々とした気持ちを抑え込むには至難の業です。他の事に気を散らすことも出来ない私は、一人で悶え苦しむしかないのです。
私が布団の中で淫らな気持ちに苛まれていると、コンコンと扉をノックする音が聞こえてきました。
「今から大切な神事があるから、大広間まで来るように」
扉の向こうの声は私にそう告げると「あと、袴を脱いで来なさい」と、私に白衣一枚の姿で大広間に行くように言いました。
私は言われたまま袴を脱いで大広間に行くと、大広間の真ん中に布団が一枚敷かれていて、その周りを取り囲むように、氏子さんたちが大勢集まっていました。
私は氏子総代の人に言われるまま、布団の上で正座をしていると、白衣姿の淳君も大広間に入ってきました。
私の隣りに淳君が座ると、神主さんが私達にとんでもない事を言ってきたのです。それは、「今から二人とも裸になって、布団の上で抱き合いなさい」と言うものでした。
裸になって抱き合うと言うのは、すなわち、皆の見ている前でエッチな行為をしろと言っているようなものです。
私も淳君も素直に言うことなど聞けるはずもなく、「絶対に無理です」と泣きながら断りましたが、
「太陽の光が最も弱まった冬至の日に陰陽が結び合って陽気を強めるのが私と淳君の役目である。この神事を毎年繰り返す事により、土地の繁栄を築き上げてきたのだ。もし、それを怠れば、どんな厄災が降りかかってくるかわからない。お前たちにその責任が取れるか」
と、半分説得、半分脅迫めいた言葉に私も淳君も「はい、わかりました」と頷くしかありませんでした。
いくら、悶々とした気分になっていたにせよ、人前で男の子とエッチをするのとは次元の違う話です。でも、周りの雰囲気に飲み込まれてしまった私達は、言われるまま帯を解いて裸になりました。
大勢の大人の目の前で全裸になって、私の肌は火が出るような熱さです。同じように、褌一枚になった淳君の身体も真っ赤です。
古い習わしによって、先にエッチな行為に誘うのは男の子である淳君です。特に決められた言葉があるわけではありませんが、淳君が「よろしくお願いします」と、緊張した面持ちで言うと、淳君は布団の上に仰向けになりました。
私は淳君の褌の上に割れ目を合わせる様に腰を下ろすと、ゆっくりと腰を前後に動かし始めました。
昔は直接男の子のアソコを女の子の膣の中に挿入していたそうですが、今は性行為をする真似事だけですが、褌の上からでも、淳君を感じるには十分でした。
大人たちが見守る中、髪を振り乱しながら腰を前後に激しく揺らす私。淳君のアソコからも私のアソコからも、ヌルヌルした分泌液が漏れ出して、淳君の褌を濡らしました。
私の腰の動きが激しさを増すにしたがって、淳君の口から激しい息遣いに混じって湿った声が漏れる様になりました。私も自分の乳首を苛めながら腰を振っていると、ドロリとした生暖かいモノを股座に感じました。
私が割れ目に生暖かいモノを感じたのと同時に、淳君のアソコが縮んでいきました。
終わった……。私の素直な感想です。でも、私はまだ終わってはいませんでした。
私は小さくなった淳君のアソコに跨ったまま、右手を割れ目に触れると、氏子さんたちが見ている前で自慰行為に耽りました。
頼まれもしていないのに、自慰行為に耽る私を誰も止めません。非日常的な空間の中で、私は自分を慰めていたのでした。
薄暗い部屋の中で過ごす日々はとても苦痛でした。宿題もやり終えてしまうと、もう、何もする事がないのです。
今、社会問題になっているニートも、テレビやゲーム、パソコンがあるから部屋の中に閉じこもることが出来るのであって、何もない部屋の中では並大抵の精神を持ち合わせていない限り、生きていくことは出来ないでしょう。
でも、この退屈な日々の中で感じた事もありました。ご飯を食べる時や神事に参加する時、淳君と顔を合わせて一言二言言葉を交わすだけでもとても新鮮でかけがえのないものに感じられたのです。
それは淳君も同じようで、彼もとても嬉しそうな顔をするのです。潔斎の本当の目的とは違うかもしれませんが、この一週間の間で、私は人とのつながりの大切さを、身を以て感じたのでした。
そして、いよいよ大晦日の夜を迎えたのでした。大晦日の夕方、私と淳君は拝殿での中でいつもの様にお祓いを受けると、着ているものを全部脱いで社務所の中に入りました。
そこで、年越しの時間まで待機するのです。私達が待機している部屋は火鉢が一個だけ置いてあって、それ以外には何もありません。
冬至の日にお互いの裸を見せ合って、大人たちの前でエッチな行為をした仲なのに、やっぱり、裸でいるのは恥ずかしいです。恥ずかしさとこれから自分たちの身に起きる出来事を思うと、何とも言えない気持ちになりました。
話の始まりに、生贄と言いましたが、まさに、私達は地区の皆さんの為に身体を捧げないといけないのです。
「私、耐えきれるかな……」
この神事を幼いころから見続けてきた私には、到底耐えきれるものではないと思っていました。
「大丈夫だよ。そのために、今まで頑張ってきたんじゃないか」
淳君は私の不安を和らげようと、私を励ましてくれました。
年越しの時、私と淳君は、真っ裸のまま人前に出て、皆の厄を引き受ける様に、竹の棒で身体中を滅多打ちにされるのです。
叩かれるのは煩悩の数と言われる108回。まるで、除夜の鐘の様に、私達の身体は扱われるのです。
「そろそろ外に出て準備をしなさい」
神主さんに声を掛けられると、私と淳君は意を決するように表に出ました。
丸裸になった私達が外に出ると、喝さいが沸き起こりました。私と淳君は竹鞭から身を隠せない様に、両手両足を広げた格好で両手首と両足首を紐で縛られて固定されます。
恥ずかしい場所を隠すことも出来ず、私と淳君の身体は参拝者の手にゆだねられるのです。そして、私達が叩かれる準備が整うと、年越しのカウントダウンが始まりました。
カウントが0になった瞬間、私のお尻に痛みが走りました。
「痛い」
思わず私が叫び声を上げました。でも、私の叫び声は参拝者の雑踏でかき消されました。
バシ
次は脇腹に痛みが走りました。お尻、わき腹、太もも、お腹、身体中の至る所を竹鞭で叩かれます。身体中に、赤い筋が走ります。
バシ、バシ
叩かれた場所をさすって痛みを少しでも和らげたいのに、私の両腕は縛られて動かすことが出来ません。痛みの為に全身が燃える様に熱くなると、頭から冷水を浴びせられます。冷たい水が傷口を更に刺激して、痛みがぶり返します。
バシ、バシ、
赤い筋で私の身体中が彩られていきます。
隣を見ると、苦痛の表情を浮かべる淳君の姿が見えました。淳君の身体も赤い筋で彩られていました。私の視線を感じて淳君も私の方に顔を向けました。
「オレは皆の厄を一身に受けているんだ」
「皆の幸せのために私は耐え抜くんだ」
淳君の顔からはその強い決意みたいなものを感じました。強く叩けば叩くほど、その一年は幸せに暮らせる。そんな古くからの言い伝えがあるので、皆は容赦なく叩いてきます。
淳君だって痛いのを我慢して耐えているんだ。私も耐え抜いてみせる。私は痛みを忘れるように、その事ばかりを頭の中で繰り返していると、「淳君、美結、頑張って」と、私と淳君を励ます友達の声が聞こえてきました。
一週間ぶりに聞く友人の声に、私の身体の奥から力が沸いてくる思いがしました。
負けるものか!! 私はギュッと唇をかみしめると、まっすぐかを向けました。両手両足を縛られて、冷水で水浸しになった身体の至る所には蚯蚓腫れを走らせています。
神事が終わると、私と淳君は毛布で包まれて社務所の中に入りました。控室に入ると、私と淳君は畳の上に倒れこみました。
「初日の出が昇る前に、お祓いを受けて、川の中で沐浴をするから、それまでしっかりと休んでいなさい」
畳の上に倒れこんだ私と淳君に、神主さんは言いました。
「あと、もう一息」
私は薄れゆく意識の中でそう呟きました。
夜明け前、氏子さんに声を掛けられて目を覚ます私と淳君。二人とも裸のまま寝ていましたが、毛布のおかげで寒さだけは凌げました。
「最後のご奉仕だから、白衣を着て拝殿に来なさい」
白衣を着て拝殿に行こうと思い、立ち上がろうとしましたが、身体中がとても痛く、頭もクラクラとしてうまく立ち上がることが出来ませんでした。
私と淳君はお互いの肩を借りあって、やっとの思いで立ち上がりましたが、私達の身体には赤い筋と蚯蚓腫れで化粧されていました。
「痛くない? 大丈夫?」
虚ろな目をした淳君は私の心配をしてくれました。
「そういう淳君こそ、大丈夫?」
私は朦朧とした頭で淳君に尋ねました。
「僕も大丈夫だよ」
淳君は苦しそうな表情をしながら答えました。
痛みを堪えながら白衣に袖を通した私と淳君は、覚束ない足取りを、お互いの身体で支え合いながら拝殿まで行きました。私達が拝殿に入ると、神主さんは祝詞を上げました。
そして、祝詞を唱え終わると、冬至の日に入った川に向かいました。冬至の日とは違い、正月を迎えた神社の境内にはたくさんの参拝客が訪れていました。
そんな参拝客のトンネルを、私と淳君がボロボロになった身体を支え合いながら歩いていくと、参拝客の間から、拍手と「よく頑張ったな」と言うねぎらいの声が飛び交いました。
河原に着くと、私と淳君は初日の出を遥拝するために川の中に入りました。ただし、この日は初日の出のご来光を全身で浴びる為に、着ている着物を脱いでスッポンポンの格好で川の中に入らないといけないのです。
境内同様、河原にも多くの人達が集まっています。半分、人前で裸になる事に慣れていた私達は、当たり前の様に着物を脱いで真っ裸になると、お互いの素肌を合わせる様に肩に手を組んで川の中に入りました。
痛みの走る身体に川の水の冷たさに絶叫しそうになりましたが、人前で恥ずかしい姿を見せたくないと思い、叫び声をグッと堪えました。そして、夜明けの空に昇ってくる初日の出に向かって柏手を打ちました。
私達が冷たい川に浸かって初日の出を拝むことにより、皆から受けた厄や穢れを落として、初日の出から神聖な力を分けてもらうのです。
こうして、私達の年越しの神事は終わりましたが、最後に二つほど後日談を話したいと思います。
まず一つ目は、立派に生贄の役目をやり終えた私は、家に戻ると緊張の糸が切れたのと、家に戻れた安心感と、竹鞭で叩かれた後遺症で高熱を出してしまいました。結局、熱が下がるまで、私は家の中でも自分の部屋の中で閉じこもって過ごしていたのです。
そして、もう一つが、私と淳君は地元のケーブルテレビや新聞の取材を受けたのですが、この時、私達の素っ裸の映像や写真が出回ってしまい、新学期早々、クラスの皆からその事をからかわれてしました。
いくら、相手が中学生だからと言って、少しは気遣いをして欲しいものです。でも、両親や周りの大人たちからは、「少しは大人びてきたんじゃないか」と言われるようになったので、ちょっと誇らしげな気分です。
では、これで私のお話を終わりたいと思います。
(終わり)
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