投稿作品集 > 静香と香澄 p.16

このストーリーは、bbs にて、鳳仙 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は 鳳仙 氏にあります。



「か、香澄……?」

静香と自分、二人だけの世界に浸りつつあった祐輔は、思わず動きを止めた。

「どうしたんだ? 急に?」

その表情は、香澄からすると何故か困惑たように見えた。そしてそれは、母静香も同様である。

元々自分がお仕置きされる為の場ではなかったのか?
それがどうして、二人して困った顔をしているのか?

などと、香澄は思わない。ちょっと違和感を覚えただけで、重ねて義兄に懇願した。

「お義兄さんっ、お母さんを放してっ。そして私をお仕置きしていいからっ!」

祐輔は、香澄をまじまじと見た。

『……所詮子供と思っていたが、なかなかいい根性してるじゃないか……』


涙ぐんだ、母親譲りの端整な顔。今まで見せたことの無い、義妹の真剣で切なそうな表情に、祐輔はドキリとした。

『それに静香を庇う心根も気に入ったっ』

何かの拍子に、さほど関心が無かった者が佳く見えてしまう場合がある。

可愛い顔立ちだが、放埒な素行の少女、そういった印象で気にも留めなかった香澄が、はっきり自己の責任をとるという発言をしたのだ。その意外と思われた健気な姿勢に、彼の心は動いた。

『改めて見ると、中学生にしては発育もいいよな……』

無論、邪な感情も含めてである。次に彼は、香澄のお尻を叩きたい衝動に駆られた。

「よし、じゃあ香澄……」

交代と言おうとした彼に、静香は遮るように言った。

「祐輔さん、構いませんっ。このまま続けてくださいっ。香澄っ、あなたは自分で次回からって言ったでしょっ! だったら大人しく見てなさいっ!」


祐輔は、静香の反応に、少々の驚きを喫した。

『何を言い出す静香……? 香澄が自ら志願したのであれば、それでいいじゃないか?』

もしかすると、お仕置きをまだまだ堪能したいからなのか?
それとも、娘に発言の重さ、大切さを教えているのか?
或いは、この期に及んで娘がお仕置きされるのを躊躇っているのか?

『僕は堪能したいに一票』

彼は、静香のお尻に指で文字を書いた。

「つ・づ・き・は・あ・と・で」

そして、静香がそれを理解したような素振りをすると、言葉で確認をとった。

「お義母さん、香澄は自ら非を認めて罰を受けると言っています……。どうでしょう? その意を汲んでやりませんか?」

それに対し、静香は顔を赤らめてコクリと頷いた。


「祐輔さんに……お任せします」

祐輔は、御機嫌麗しい。静香が、自分からのお仕置きを望んでいる事。香澄へのお仕置きに心変わりがなく、執行を自分に委ねた事。この二つを再確認出来た事で、いわば彼女の心を手中に納めたと実感出来た。喜びもひとしおであったろう。

「では交代……という前に……」

彼は歓喜の中にあっても、やはり落ち着いていた。急ぐ事なく、香澄へお仕置きのあり方を説明していく。

「香澄、お尻叩きの数は、二人で80とした。内訳、お義母さんが50で、香澄が30だ」

香澄は、緊張した面持ちで頷いた。

「でだな、お義母さんへのお尻叩きは今32、まだ途中なんだよ?」

香澄は頷いた。

「お仕置きとは、本来厳格なものであり、宣告した数は変更しない。つまり、今すぐ交代するなら香澄、お前へのお尻叩きは48になる。それでもいいか?」


祐輔は、これで香澄の覚悟の程を測ろうとした。そして、その返事により、お仕置きの厳しさを調整するつもりでいた。

香澄は返事をしない。いや、打診された罰の重さに、返事が出来ずにいるといった方がいいだろう。あどけない可愛い顔を強張らせたまま、口をパクパクさせている。

そこへ、様子を窺っていた静香が、娘に助け舟を出した。

「祐輔さんっ、私の50を済ませてくださいっ。そしてお考え通り、香澄に30……」

パチィッ!

「きゃあぁっ!」

が、発言途中で、祐輔に強かにお尻を打たれた。

「お義母さん、僕は香澄に聞いているんですっ! お仕置きは僕が全てを決めますので、貴女といえど黙って従ってくださいっ! 分かりましたかっ!?」

パチィッ!

「ひぃぃぃぃぃぃっ……! わ、分かりましたっ! 祐輔さんっ、すみませんでしたっ!」


実の娘の前で、義理の息子に叱責され、お尻を打たれる。挙げ句、涙浮かべての謝罪は、つい先程までのお仕置きとニュアンスが違う。静香としても情けなく思ったのであろう、シクシクと泣き出した。

この祐輔の強気な態度は、香澄にとって初めのお仕置きであるからこそ、ある程度の厳しさを知らしめたのであり、静香に対しても、暗に立場を弁えるよう注意したのだった。

そして彼は、香澄の返事を待った。果たして、

「わ、分かったから、お母さんを叩かないでっ! 悪いのは私っ、ごめんなさいぃっ!」

無論、お仕置きへの恐怖は有り余る程ある。が、母の啜り泣きに、香澄は勇気を振り絞ってそれを受け入れた。それに対し祐輔は、香澄を見直すと共に、健気な美少女をお仕置き出来る喜びに浸る。

「よしっ、よく言った香澄っ。僕はお前の心根に感心したぞっ。なら言っておく事があるっ。お仕置きを受ける時は、返事は『はいっ』、言葉遣いは敬語で話す事っ。そして姿勢もきをつけっ。分かったかっ!」

彼の勢いに、香澄は完全にのまれたと言っていいだろう、姿勢を正すと「はいっ」と元気よく応えた。祐輔は満足そうに頷くと、膝の上の義母に優しく言った。


「お義母さん、香澄は放埒とはいえ、根は素直で優しいですね。……僕にとっても可愛い義妹、大事に思いますから」

「……はい、ありがとうございますっ」

静香の心からの感謝を受け、彼は香澄に和やかな瞳を向けた。

「香澄、お義母さんを守ろうとするお前の気持ちに免じて、お尻叩きは加減をするからな? それでも辛いだろうが、しっかり頑張るんだぞ?」

厳しい鞭の合間に見せる労りの飴。これによって、反発や躊躇いを少なくさせ、受けて然るべしと思わせる。案の定、香澄の険しい眉間が、やや緩やかなものに変わった。

「お、お義兄さんっ、ありがとうございますっ! 香澄にお仕置き、お願いしますっ!」

彼は我が意を得たりとばかり、力強く頷いた。

『うん、素直で従順は僕の好みだぞっ、香澄っ』


溢れそうな笑みを堪え、次に祐輔は静香に立つよう命じた。

「お義母さん、辛かったでしょうが貴女のお仕置きは終わりです。起きて服を着られてください」

それを受け、静香は緩慢な動きで応じる。それはまるで、物足りないといわんばかりな感じであった。

「……あの……祐輔さん……」

立ち上がった彼女は、無毛の股間を隠しながらおそるおそる呟いた。

「……どうしました?」

「あの……意見する訳ではないのですが、私は娘に自分のお仕置きを押し付けた気になります……。ですから、香澄のお仕置き中は、このまま待機させてもらって宜しいでしょうか……?」

貴婦人が下半身裸で、身を捩らせながらの懇願に、祐輔は危うく失笑するところだった。そして彼は、これを静香の『お仕置きされたい』意思表示ととった。


『静香っ、お前も可愛い事言うなっ? じゃあ、後での続きは、たっぷり可愛がってやるからな?』

彼は内心そう喜ぶも、表情は固くしている。そして香澄が疑問に思わぬよう、香澄に説明するかのように問い質した。

「香澄に申し訳ない、だから罰としてこの姿で立たされます。こう仰りたいんですね?」

静香はハッとした。祐輔の補足に、自分の言動が少々逸脱していると気付いたのだ。

香澄の頭の中では、自分も初めてのお仕置きである。だから、必要以上に罰を求める発言は、不自然に映るであろう。彼女は、祐輔にお礼を込めてお辞儀した。

「はい、その通りです」

そして、チラッと香澄の様子を窺った。幸い、今からお仕置きを受ける娘は、そこまで気が回らないようだ。どころか、母が下半身丸出しで立つ事そのものすら、頭に無いようである。


自分でお仕置きを志願したものの、いざとなったところで、臆したように見える。案の定、彼女の口からは、

「……お、お義兄さんっ、……怖いですっ……」

偽らざる心境の吐露であろう、思春期の少女として当然である。

『まあ、無理もない』

祐輔は立ち上がると、香澄の手を掴んだ。

「香澄、お義母さんの気持ち、無駄にするなよ」

そう声を掛け、優しくも力強く引き寄せた。抵抗の程はどうかとちょっと気にした祐輔だが、義妹はすんなり従っている。

それに安心し、彼は椅子に腰掛けながら、香澄を膝の上に誘導した。この際、自分の隆起した分身が密着しないように、左足のみに体を預けさせる。この為香澄は、九の字に身体を折る形となり、必然的に祐輔の眼下にお尻を突き出す姿勢となった。


『可愛らしいな、香澄』

声を挙げず、負の感情を震えながらも堪える彼女に、祐輔も欲情が高まっていく。

そこへ静香が、彼の目前に歩を進め、両手を横の直立姿勢を取ったのである。当然、気品に満ちた大人の女性、それに似つかわしくない無毛の股間が露になった。

「お、お義母さん、どうしました?」

彼は思わず、そう訊ねてしまいそうになり、慌てて口をつぐんだ。そして静香は、短く囁いた。

「……お仕置きの作法です」

『成る程、自身お仕置き中である事から、直立姿勢を取ったって事か』

香澄の視界に入らないなら、こうするのが作法通りと言いたいのだろう。が、祐輔の目からすると、まるで『私をしっかり見て』と言ってるように見える。彼は目と頷きをもって、静香の行為を誉めた。


「さて香澄、今からお仕置きをするぞ。まずはスカートの上から八発っ。思いっきり泣いていいから、しっかり受け止めるんだぞ?」

「……はい、お、お願いしますっ」

義妹の返事を受け、彼はスカートの上から軽くお尻を撫でた。

「……あっ……」

僅かに身を捩らせた香澄のお尻に、祐輔の平手が飛んできた。

ぱんっ!

「きゃあっ!」

元より、スカートの上から、しかも手加減した平手打ちなので、痛みはさほど無い。それよりも、お尻を打たれたという現実が、香澄の羞恥をかきたてる。

ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!

「あっ……いやっ、あぁっ!」


軽い懲擲音に、香澄のお尻が揺れる。しかし、到底お仕置きという感じはなく、遊戯じみていた。とはいえ、香澄からすると、恥ずかしいに違いない。初めてのお仕置きに、彼女は小さな悲鳴をあげた。

「よし香澄っ、次はパンツの上から10っ! いいなっ!?」

そう言うと祐輔は、彼女の返事を待たずにスカートを捲り上げた。白い肌に、薄い水色のショーツが彼の視界に入る。

「あっ、お、お義兄さんっ、いやっ!」

香澄は、咄嗟に右手でお尻を隠した。が、既に露となった下着を隠すには、儚すぎる抵抗である。そして、その無意味な足掻きも、義兄の欲情を高めるだけであった。祐輔は、香澄の腕を左手で掴み、邪魔にならない程度、背中の方へ捩った。

「ひっく、ひっくっ……ぃや……。恥ずかしい……」

無抵抗とされた事で、香澄は啜り泣きだした。しかし、暴れたりもなく、逃げようとする素振りはない。一応お仕置きを受ける覚悟は出来ているようだった。

『可愛いなっ、香澄っ! お前は静香とは、違った良さがあるぞっ!』

手を焼かせる事の無い素直な義妹の態度に、彼は益々感情を昂らせていく。


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