投稿作品集 > ある社員のつぶやき p.18

このストーリーは、bbs にて、ロッキー 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は ロッキー 氏にあります。



(8)

「立派な大陰唇だと思います。キレイなピンク色です……」

よし、打ち合わせは日を改めよう。

「ただ、小陰核は非対称じゃなくて、右側が大きすぎるんじゃないでしょうか?」

「近藤先輩は、どう思われますか?」

アタシに聞かないでくれ~。ふらないでくれ~。フォークでツンツンしちゃ駄目。剥いちゃ駄目!

「摩擦を恐れずに……、正直にですよねぇ☆△☆△」

「鹿ノ倉さん? 何飲んでるの?」

うん、これソフトドリンクか?? カルピスウォータじゃないじゃん。サワーだと。カルピスサワーだよ! どこからか注文がすり替わって! ガンガン飲んでたよね!

「マン長さ12cm、クリトリス直径11cm、長さ14mm、毛深さ3。ラビア深さ15cm。ヴァギナはキツ目ですが発情しやすくなっております。クオリティーをご確認ください。発情しているので最高の状態でございます」

「もう良いんじゃないですかね?」

ちょっと困っている鹿ノ倉さん。さんざん焦らしたあと、五分ほど掛けて、徹底的にこねくり回させられていた。途中で野菜スティックとかも入れさせれて、アソコで折ってた。

もちろん、懇願されたんだよね? 本心じゃないよね? 酔うと結構大胆になるタイプなんだね。


「コメントしにくいです」

その挙句のはてに、これかい。もう、良いんじゃない? 色々みんなしごきあったじゃない?

「待ってください! 数値には出ない筋力には自信がございます! ビール瓶もこのとおり」

中身がドンドン膣の中にはいっていくよ。半分くらいあったよ? 次々と日本酒だの焼酎だも飲み干していくよ?

「凄い愛社精神ですわ」と、桜子さんがからかう。明智さんは寝てしまったようだ。さっきも言ったが、明智さんは下戸で一滴も飲めない。飲み会に来ることが『そもそも苦痛』な人です。酔いつぶれたフリでしょう。

柳生さんと桜子さんが、反省会と称してそれぞれの目的で毎回連行しているのです。『種も仕掛けもございません』と刺さった瓶を揺らして見せる。

二回くらい潮を吹いた! 鹿ノ倉さんはケラケラ笑っています。笑い上戸なのでしょうか。

「流石は柳生課長ですわ。来週からもご指導よろしくお願いします」

2Gに移籍するの? 駄目だよ! 柳生さんは、性器でチャンポンして酔いが回ったのか虚ろな状態。

明智さんを起こし、お会計をしました。「終わったぁ?」って目を擦ってたけど、起きてたでしょ? 面倒くさいのか、また全部出してくれたラッキー。


(9)

柳生さんが明智さんにもたれかかる。

「前後不覚まで飲むなんて社会人失格ですわ」

初めて聞いたとき、耳を疑ったもんなぁ。

「鹿ノ倉さんはどう思われます? どう思います? この破廉恥な雌犬」

「良くないと思います。ケラケラ」

「大丈夫です。このくらい余裕です。もう一軒行きましょう。そうだわ。カラオケに行きましょう。さっきは部下である源三郎様に奢られるという屈辱と、性器を酷評されるという辱めを受けました。今度は、私がみんなにごちそうします」

快楽の余韻に浸ってるのか、奢られて女扱いされたのや自分より背の高い明智さんに抱えられたのが嬉しいのかは、微妙な恍惚の表情。

でもさぁ、この状況で帰れる? 桜子さんは電話で実家に、「本日は社会勉強として、会社の皆さんとカラオケに行きます。社会人として終わるまで帰れないの」って電話してるし。

明智さんは飲んでないし、カラオケが本番みたいな人。さっそくスマホで手配を始めましたよ。カラオケとはいっても、ちょっとお高いやつ。シャワーとか温泉もついてる。立派なベッドがある仮眠室もある。

ちょっとしたホテルだ。でも、社員証をみせれば、家族割(ミナモト割)でただで使える。(食費は掛かるよ)


「歓迎会の予行演習ですねぇ。ケラケラ」

いや、このまま返すのもまずいし、かといって残っても絶対まずいよね? そもそも、鹿ノ倉さんはノリノリで、飲み放題を要求した。部屋に行くまでもバトル。

「月曜日の朝までだって、余裕でいられますわ」

また、やるんですか。

「あら、課長である私に主任ごとき、レパートリーでかなうとでも? まだまだ社会勉強が足りないようですわね」

いや、あなたはマイクを持つどころか、立つことも危ういでしょう。ほら、ヒール高いんだから。

「あら、足元もおぼつかないようでしたら、タクシーを呼んでさしあげましてよ。臨時社員の鹿ノ倉さんも、こんな無様な上司の下でなくてよかったと思ってらっしゃいましてよ」

明智さんは音量とエコーの調整、さらにはマイクのボリューム調整に専念している。頑張ろうとお酒を少し多めに飲んでいた桜子さんは、酔いが回ったのか少し強気。

このあと、襲いかかったりしたらどうするよ? 両サイドに囲まれて、ちょっと困った様子の明智さん。


「あら、私はシャワーを浴びて、ちょっと横になれば、すぐに元気になりますのよ。そうすれば、月曜日の朝このまま出社できまして。

あいにく仕事一筋で休日は暇ですから、とはいえ、男性の知人はたくさんおりますのよ。ひ弱なお嬢様は門限もおありでしょうし、お疲れになったらお先に帰ってよろしくてよ」

「いえいえ、あいにく、上司と営業担当を置き去りになんてできませんわ。終わるまでお付き合いいたしますわ。それに私、量より質のミナモトスピリッツを心から愛しておりますので、誰とでもという尻軽ではございませんの」

「あら、どれが高品質かなんてわかりませんことよ。私は厳選をしておりますの。高品質で管理をさらに、高い基準で保証をしておりますの。これこそ、ミナモトスピリッツですわ」

もはや、酔っていて意味がわからん。

「肝心なときに錆び付いていては、役に立ちませんことよ。まぁ。処女はどっちにしろ時間がかかりますけどね」

「私、アシスタントですから曲を入れて差し上げますわ。アメリカでは最新機器なかったんでございましょう?」

おい、やべえよ。また無茶振り大会が始まってしまうぞ。しかも、この二人はデスマーチ(潰れるまでやるつもり)を始めるつもりだ。


(10)

明智さんは、デンモクを鹿ノ倉さんさんに渡す。

「やっぱ、若手から先陣を切るもんだよね」

うわぁ。入れずれー。しかも、明智さんはシラフでこれやるからすげぇよ。

「遅いですわねぇ。待ちくたびれてしまいますわ」
「1Gでは、どんな教育をしてらっしゃるのかしらねぇ」
「きっと、素晴らしい美声を聞かせていただけますわ」

何でいつも急に、矛先がアタシ達に向いて2Gの総力をあげてしごいてくるんだ!

鹿ノ倉さんは、去年の紅白歌合戦(最新)で、出てきた歌を歌う。

「あら、無難ですわね」
「1Gにはミナモトスピリッツ(バイタリティー)が、ないんでございましょう」

次はアタシの番らしい。いつのまにか曲が入っている。AKB48を踊れと? 一曲目から? こういうのって山場じゃないの? まぁ、仕方ない踊るか。ヒールが高くて踊りにくい。アタシも酔ってるんだけどね。

「ちょっと照れがあるんじゃなくて。それにセクシーさがないわ」
「やっぱり1Gは、蝶よ花よでやるから、肝心なときに使えませんわね」

おい、お前らいつものように言いたい放題だなぁ。


桜子さんが歌い出す。おお、うまい。

「あら、あんまり『L』と『R』発音がよろしくないわねぇ。受験英語の限界ですわねぇ。私が本番で磨いたネイティブ英語を聞かせて差し上げましょう」

洋楽が流れ始める。いつも思うんだけど、明智さん、全部把握してんの? レパートリー全部覚えてるの? またタンバリン叩いて盛り上げだしたぞ。

毎度のことながら、『家族への奉仕』ってこういうことなのか、すげぇよな。『女ばっか奉仕してるのかと思いがち』だけど、こういうのがあるからのほほんとしてられるわけで。

まぁ年に一度くらいこんなことあっても良いか。先月も、先々月もあったけどな。就任以来毎月やってんだけどね。しかも、この二人は寝ると、わりとすぐ忘れるタイプ。月曜には忘れてるんだなぁ。また新しい一ヶ月が始まる。

交代でシャワーを浴び、小さな温泉に入り、ベットで仮眠し(爆睡)、ご飯を一緒にルームサービスで食べ、月曜日の朝、鹿ノ倉さんは会社の更衣室にたくさんある着なくなった服(制服じゃないよ。ご自由にお取りください(洗濯済み))に着替えて大学へ。私達はバラバラにタイムカードを押しました。

この領収書、一次会はウチで持ったから、『鹿ノ倉さんの歓迎会兼打ち合わせってことでお願いしますね』って。おあとがよろしいようで。


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