投稿作品集 > 日本メイド専門学校 p.01

このストーリーは、bbs にて、DD 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は DD 氏にあります。



「みなさん、本日は日本メイド専門学校へのご入学、おめでとうございます」

壇上で背広を着た恰幅のいい髭面の紳士は、講堂に集まった100人あまりの新入生たちに向かって挨拶した。

ここは日本メイド専門学校、通称「メイ専」。日本で唯一のメイドを養成する専門学校だ。生徒は200人。将来、一人前のメイドになるため、日々厳しい訓練を受けている。

校長・伊佐岡のモットーは「規律と伝統」。古き良き伝統を重んじ、それに反する者には厳しい罰が科せられる。教師たちはいずれも長年、名家に仕えてきたベテランのメイドばかりだ。海外の富豪の家で働いていた者もいる。

彼女たちはその経験を後輩たちに叩き込むため、毎日目を光らせ、時には彼女たちが現場でそうされてきたように、体罰による指導も行なう。熱心に耳を傾けるメイド服姿の新入生たちは皆、その覚悟を持って入学してきた者ばかりだ。

山里春佳もそのひとりだった。春佳は普通のサラリーマンの家に生まれ、メイドとは無縁の世界で生きてきたが、ある日、たまたま知り合ったメイ専の卒業生に憧れ、両親の反対を押し切ってここに入学した。

メイ専は全寮制。入学すると、二年間、ほぼ外界と断絶された世界で過ごすことになる。

今まで平凡な女子高生として生きてきた春佳にとってそれは耐え難いことであったが、それでも彼女には一流のメイドになりたいという夢があった。そのためにはどんな辛いことも我慢しようと決意していた。


校長の話が終わると、司会の教師が、「新入生代表の挨拶。新入生代表、佐野江里子」と告げた。

背の高い、キリッとした女の子が前に出る。

「私たちは一流のメイドとなるため、どんな厳しい訓練にも耐え、先生方の教えを守って、ご主人様の期待に応えられるように努力します」

ハリのある声。まさにメイドになるために生まれてきたような子だな、と春佳は思った。

「先生方、どうか私たちが一流のメイドになれるよう、厳しい指導をお願いします」

江里子が一礼して締めくくる。

これで入学式は終わりかと思ったが、突然、教師の一人が生徒たちの列の中に入ってきて、一人の生徒の腕を掴んだ。掴まれたのは、背が低く、巻き毛のぽわんとした子だった。春佳と同じクラスの石野奈緒である。

「あなた、さっき居眠りをしていましたね」

「す、すみません」

奈緒は真っ青になって謝った。しかし、教師は聞き入れず、腕を掴んで奈緒を前に連れて行く。他の生徒たちは息を呑んでその様子を見守っていた。

他の教師が二人がかりでテーブルのようなものを運んでくる。奈緒はその台にうつ伏せになり、両手足を固定された。春佳は今から何が行なわれようとしているのかなんとなくわかって驚愕した。


鞭打ち。

メイ専を卒業した先輩がよく話していた。この学校では、懲罰のため、ムチでお尻をぶたれるんだと。だから、ある程度は覚悟していたが、まさか入学初日からそれを目にすることになるとは!!

奈緒のスカートが捲り上げられる。学校指定の白いショーツが露わになった。下着は白以外のものは禁じられている。もし、違反が見つかれば即刻、懲罰室行きだという。

下着がピッタリと張り付いた奈緒の尻がなまめかしくて、春佳はドキッとした。

(こんな大勢の見ている前であんな恥ずかしい格好をさせられるなんて……)

話には聞いていたが、実際に目にするとその衝撃は大きい。奈緒を連れ出した教師の手にはいつの間にか乗馬ムチが握られていた。

(あんなのでぶたれるんだ。痛そう……)

春佳は思わず顔をしかめた。教師が奈緒の後ろに立つ。

「石野さん、自分の罪を謝罪し、罰をお願いするのですよ」

教師の声は氷のように冷たかった。

「私、石野奈緒は、入学式の最中に居眠りをしました。私に厳しい罰をお願いします」

「よくできました。では、これから10打の鞭打ちを与えます」

教師は奈緒にそう宣告した後、他の新入生たちを振り返り、「みなさん、これから規律を守れなかった生徒がどんな目に遭うか、よく見ておくのですよ」と言った。


再び、奈緒の方に向き直った教師がムチを振り上げる。全員の息を呑む音が聞こえてきそうだった。

ピシッ!!

振り下ろす動作があまりにも速くて、見えなかった。気がつくと、ムチは奈緒のふっくらしたお尻に強烈な一撃を加えていた。

「きゃっ!!」

思わず悲鳴を上げる奈緒。

「はしたないですよ。声を出さない!!」

厳しい叱責が飛ぶ。

「も、申し訳ありませんッ!!」

謝罪の言葉を言い切らないうちに、次のムチが飛ぶ。

パシッ!!

「痛い!!」

怒られたにもかかわらず、奈緒はまた声を上げてしまった。それほどまでに痛いのだ。

「声!!」

「すみませんッ!!」

「次、悲鳴を上げたら10打追加します」

「は、はいッ」


ピシッ!!

三発目。奈緒は握りこぶしを固め、痛みに耐えた。あと七打。果てしない長さに感じる。

ピシッ!!

四打目。生徒たちの間からすすり泣きが漏れ始める。

ピシッ!!

五打目。ぶたれるたびに奈緒が尻をきゅっとすぼめる。まるで白い生き物のように動くその尻に全員の視線が注がれる。

ピシッ!!

六打終わったところで、教師は状態を確かめるように奈緒の尻を擦った。下着からはみ出た部分が赤くなっている。

ビシッ!!

七打目。春佳は高校時代まで、こんなに厳しい体罰を見たことがなかった。彼女の両親は決して手を上げる人ではなかったし、学校でも最近の風潮を反映してか、教師が体罰を行なうようなことはなかった。

運動部に入っていた友人からは、テニスラケットでお尻をぶたれたとか、顧問にビンタされたという話を聞いたことはあったが、ほぼ体罰とは無縁の人生だった。

パシッ!!

完全に背を向けているので、春佳のところからは奈緒の表情は見えない。きっと必死で痛みに耐えているのだろう。

パシッ!!

残り一打。もったいつけるように、教師はすぐにはムチを振り下ろさなかった。

「石野さん、きちんと反省できましたか?」

教師の問いかけに、「はい。もう二度といたしません」と涙声で答える奈緒。

そして、最後の一打。講堂内にその音が響き渡り、ようやく奈緒は解放された。

尻を押さえながら列に戻る奈緒。顔は涙でぐっしょり濡れている。みんなが彼女に同情的な視線を送った。

しかし、これがこの学校の掟なのだ。もしかしたら、次に罰を受けるのは自分かもしれない。そう思うと、春佳の表情は引き締まった。


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