投稿作品集 > ひとりだけ…… ≪マラソン大会の練習2≫ p.02
このストーリーは、bbs にて、hiro 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は hiro 氏にあります。
――校外へ――
校門に向かって走っていると、お尻にブルマーが容赦なく食い込んできました。股間の方も、女の子の大切な部分こそ隠されていましたが、全ての陰毛を覆い隠すことは出来なかったようでした。
昨日の幼稚園児の言葉ではありませんが“お嫁に行けない……”と、本心から思いました。
覚悟を決めて校門を出ると……。
「おいおいおい、あれって昨日の子じゃないか?」
「今日もブルマーじゃん」
「一人だけブルマーかよ」
昨日の男性が、今日も居ました。私のブルマー姿を見ようと、待ち構えていたのでしょか? って、そんな訳は無いでしょうが、ついつい、そんな気持ちにさせられてしまいます。
「昨日より、お尻に食い込んでいないか?」
「食い込んでるねぇーー、って明らかに小さいし、ブルマー」
「小学校のときのでも、間違えて持って来たんじゃないか?」
「そんなとこ、だろうな」
聞きたくもない会話が耳に入って来ます。私は、その場を逃げ去る為に全速力で走りぬけました。
走れば走るほど、ブルマーは容赦なく食い込んできます。今の私のお尻は、丸見えになっていることでしょう。
周りに紺野先生が居ないことを確認して、お尻の食い込みを直しました。でも、無駄な抵抗だったようです。直した瞬間に、再びお尻に食い込んでしまいました。
恥ずかしいし、気持ち悪いよぉーー。
そう思っていると……。
「ブルマ!! はみパンしているぞ!!」
男子生徒の声が聞こえてきました。はみパンなど、するはずがありません。だって、パンティを穿いていないんですから。ただ単に、男子生徒たちは、私が恥ずかしがる姿を見て楽しみたいんです。
そんなネタにだけは、されたくありません。冷静を装いながら、走り続けました。
一周目を走り終えた時でした。
「ちょっと、そこのブルマーを穿いた子。ちょっと、こっちに来て」
「はい」
私を呼びとめたのは、大学生ぐらいの女性でした。
「ブラジャーぐらい、着けた方が良いよ」
「すみません。決まりなので……」
「嘘。他の子たち、ブラジャーを着けているじゃないの」
「すみません」
「それに、何なの、このブルマー。明らかに小さいじゃないの」
「すみません。間違えて、中学校の時のを持って来ちゃって……」
「パンツも穿いていないでしょう」
「は、はい……」
「パンツも忘れたって言うの?」
「す、すみません」
「それよりも、よく見たら、アソコの毛が、こんなに食み出しているじゃないの」
「す、すみません」
私は、謝りながら無意味だと分かっていながら、ブルマーの股の部分を広げた。
「で、どうするの?」
「どうすると言われましても……」
「そんな格好で走り続ける気なの?」
「仕方がないんで……」
「私から、学校に言ってあげるから、電話番号を教えて」
「大丈夫です。私、走れます」
「走れるって言っても、こんな格好じゃあ、襲われてしまうかもよ」
「大丈夫です。私、そんなに可愛くないし。それに、昼間だし。じゃあ、時間制限もあるので、私、行きますね」
「ちょっと!!」
まだ、何かを言おうとしてくれる女性を余所に、走り始めた。時間制限など、本当は無い。ただ、優しい言葉を掛けてくれても、私には、どうすることも出来ない。
それに、声を掛けてくれた女性に対して、申し訳ないという気持ちもあった。軽蔑してくれる方が、楽だったかもしれない。優しくされればされるほど、余計に辛くなる。そう思いながら走った。
――三時間目――
ラスト一周!!
そう思った時でした。紺野先生が校門前で仁王立ちしていました。
「西野!! こっちへ来い!!」
「はい」
「とっくに、三時間目が始まっている。残りは、放課後に走れ」
「はい」
「お前から預かったパンツとブラジャー、それにブルマーは、放課後まで預かっておく」
「はい」
私は、更衣室に直行しました。
三時間目が始まっているため、更衣室の中には私しか居ません。それを良いことに、半袖体操服を脱ぎ、Tシャツを着ました。
本来であれば、Tシャツの下にブラジャーを着けています。でも、今は着けていません。透けて見えるかもという不安もあり、急いでセーラー服を着ました。
続いてスカートを穿きました。本当は、ブルマーを穿いていたかったです。でも今日のブルマーは、容赦なくお尻に食い込み、穿いているだけでも気持ち悪かったです。私は、ブルマーを脱いで鞄に押し込みました。
ノーパン・ノーブラで制服を着るのは、初めてではありません。でも、何度経験しても、慣れることはありませんでした。何だか、スースーするような、いつもと違う感覚に、とても不安でした。
「遅くなって済みません」
紺野先生から事情を聞いてくれていたのでしょう。注意されることなく、私は席につきました。いつも以上に行儀良く、足をピチッと揃え、膝の上にタオルを置きました。
お願い、今日だけは当てないで……。
そんなことばかり考えていた時でした。
「西野さん、聞こえているの!!」
「えっ?」
「早く続きを読みなさい」
「えぇーと……」
「78ページの5行目!!」
隣の席の子が教えてくれましたが、時既に遅し……。
「授業を受ける気持ちが無いのなら、受けて貰わなくても結構!! 教室から出て行きなさい!!」
「お願いします。授業を受けさせて下さい」
「言い訳なんか、聞きたくもないわ!!」
「何でも罰を受けます。だから、だから、許して下さい」
私は、必死でお願いしました。
「分かったわ。だったら、グラウンドを10周してきなさい」
「分かりました」
私は、教室を出ました。
まさか、ノーパンで走ることになろうとは……。
校舎から出て、まず思ったのは“風が強い”ということでした。体育の授業を受けていたときは、それほど気にならなかったのですが、今は気になりました。
風でスカートが捲れないように、スカートの裾を抑えながら私は走りました。
「そんなにスカートが気になるんだったら、スカートも没収してやろうか?」
紺野先生でした。今、私がノーパンであることを、紺野先生は悟っていたのでしょうか?
「それだけは……」
「だったら、スカートなんか気にせず、真面目に走りなさい!!」
「はい」
その後の私は、一生懸命に走りました。
――放課後――
HRが終わると、更衣室に行きました。更衣室には、これから部活に行く子も着替えていました。
部室は2~3年生が使うから、1年生は更衣室で着替える。1年生は、ユニフォームなど着せて貰えない。だから、体操服で参加する。冬でも夏用体操服を着用しなければならず、今の私と同じ条件なのだが、彼女たちはハーフパンツを穿いていました。
「はぁー」
大きな溜息を着いた。穿きたくもないブルマーに足を通し、体操服に着替え更衣室を出ました。
「赤パン、罰ラン、頑張ってね」
「お尻、食い込んでるよ」
「アソコの毛、見えていない?」
女子生徒たちが、私を冷やかしてきました。今にも泣きだしてしまいそうな気持ちでしたが、私は必死で押し殺し体育教官室に向かいました。
そして、紺野先生のもとに歩み寄った。
「今から、学校の回りを一周走って来ます」
「馬鹿か、お前。一周では駄目だ。通常の四周にプラス一周だ」
「五周も走るのですか?」
「10周の方が良いか?」
「五周、走って来ます」
何を言っても、聞き入れてくれるとは思えません。自分の立場を悪くしないためにも、素直に指示に従うことにしました。
校門に向かって走っていると、体育の時間と同じように、容赦なくお尻に食い込んできました。陰毛は、昼休憩に処理しておいたので、今は食み出ていないはずです。
でも、走っているうちに……。考えても無駄なことです。どうにもなりません。私は、考えないことにします。
「ねえ、ちょっと!!」
「どうしたの?」
「あの子のブルマー」
「お尻、丸見えじゃん!!」
「でしょう」
「今どき、ブルマー姿で校外を走らせる学校あるんだね」
「それよりも、おっぱいが揺れているよ」
「うそぉー!! ブラ、着けてないんだぁー」
「あんな格好で、よく走れたものよね?」
「てっか、あたし、ブルマーの時点で恥ずかしくて表になんて出れないよ」
「だよね」
「うんうん」
女子高生らしき二人組の声が聞こえてきました。自然と涙が溢れてきました。
「泣いても、何も解決しないぞ!!」
紺野先生の声でした。
「今は、お前だけを見張っていれば良いんだから、気を緩めたら、すぐにバレるんだからな!!」
「はい」
私は、残る力を振り絞って走りました。
そして、一周目を走り終えた頃でした。
カシャ、カシャ。
何か音がしました。音のした方を見ると、カメラを持った男性の姿がありました。
私、撮られたのかも……。
頭の中が真っ白になりました。紺野先生も流石に気付いているはずです。ですが、何もしてくれませんでした。
二周目を走り終えたとき、さっきの男性が、カメラを構えて私を待ちかまえていました。でも、私には、どうすることも出来ません。
撮るのなら、好きにとりなさいよ!!
心にもない言葉を頭の中で叫びながら、走り続けました。
そして、ペナルティを含めた五周を走り終え、私は体育教官室に行きました。
紺野先生の姿がありません。とりあえず制服に着替えようと、更衣室に行きました。すると、私の制服の上に、紺野先生に渡したはずのパンティとブラジャーが置いてありました。
うそ!!
紺野先生は、女子更衣室に入り、私の制服を探したのです。
変態!! エロ親父!!
私は、心の中で紺野先生を罵りました。パンティとブラジャーを手にすると、その下にメモがありました。
『おつかれさん。先生は用事があるから先に帰る。西野も気をつけて帰るように』
腹が立つやら、憎らしいやらで、紺野先生のメモを捨てようとした時、もう一枚のメモを見つけました。
『新しいブルマーを用意したみたいだから、預かっているブルマーは要らないだろう。処分しておいてやる』
うそ!! こんなブルマーで、次も授業を受けろって言うの!!
心の中で戸惑っていると……。
「西野さん、今日は貸したブルマーは、洗ってから返して頂戴ね」
「でも、紺野先生が……」
「紺野先生のメモは、私も見ました。ですが、メモには、この小さなブルマーで受けろとは書いていませんでした。親御さんに頼んで、新しいのを買って貰いなさい」
そうだ、その手があったんだ。
私は急いでセーラー服に着替えた。紺野先生に触られたと思うと、本当は穿きたくなかったが、ノーパンで帰るよりは遥かにマシ。
私は、パンティを穿いた。久しぶりに穿いたパンティに、とても安心感を覚えた。
今度から、予備のパンティを持ってこようかな? でも、見つかったら、難癖をつけられて、没収されるのかな?
そんなことを考えながら、帰路に就いた。
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