投稿作品集 > 続・湯水のごとく p.04

このストーリーは、bbs にて、薫 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は 薫 氏にあります。



「さあ、入れ!」

VIP専用だというプレイルームは、浴室だけでもかなり広い。

まずは、客の服の脱がせ方からだった。脱がせる前に“失礼します”と言って、脱がせた服は綺麗にたたんで脱衣籠に入れる。

シャツを脱がせると、予想通り平沼の身体には刺青が入っていた。しかも、背中一面に七福神の紅一点、弁天様の絵柄だった。裕子たち五人は、刺青を眼にした途端に息を呑んで黙ってしまう。

「まずは、キスからだ。ディープキスで客の気分を高めるんだ」

パンツ一枚になったところで、裕子の担当になった平沼が指示してきた。他の者はベッドの前の床に正座して、裕子の講習を見学するらしい。

裏接待でやっているような、軽いバードキスではなく、唇と唇を重ね合わせ舌を差し入れて絡み合わせる濃厚なキスである。


「むぅぅ……ふぅん……んふっ……むふぅ……」

遠距離恋愛の恋人と、久しぶりの情事を楽しむようにキスしろ。惚れているのはお前の方だ……。首に手を回して、嬉しさを表現しろ。キスだけで発射させるつもりでやれ。

平沼の指示は、極めて具体的なストーリーを織り交ぜたものだった。

「パンツを脱がせる時は、“失礼します”だ」

「はい、失礼します」

長時間、濃厚なディープキスを交わしてからパンツを脱がせる。

おそらく30代前半であろう平沼の男根は、まるで思春期真っ盛りの高校生のように、臍に付きそうな勢いで反り返っていた。赤黒く淫水焼けしているのは、数え切れないほど女を抱いてきた証しだろう。


「脱がせたら直ぐにしゃぶれ、ウチは高級店だからな即尺は基本プレイだ」
「そんな嫌そうな顔をするんじゃない! お前は惚れた男のチンポでも、そんな顔をしてしゃぶるのか?」

講習の為に、わざわざ三日も風呂に入ってないという。

もっと吸い上げろ。音を立ててしゃぶれ。舌を休ませるな。客の目を見ながら媚びろ。汚い臭いという気持ちを顔に出すんじゃない。汚辱感を堪え、不潔な男根を死んだ気になって咥えながら、平沼が指示する通りに舐め回し舌を絡めてしゃぶり続けた。

「よし、次は椅子洗いだ」

裕子の講習がスケベ椅子に移ると、藤本美紀が担当の服を脱がせ始める。マットの講習に進めば、今度は美紀が椅子洗いの講習になり、ベッドに座った。担当の服を安藤麻衣が脱がせ、順を追って講習を受けるという流れだった。

ベッドはキングサイズなので、浴槽での講習を終えて担当とのセックスを始めても十分な広さがある。ベッド、スケベ椅子、マット、浴槽、の四箇所で講習が進み、残った一人は全体のサービスの流れを正座して見学するのだ。


担当とのセックスは講習の最後であり、見学が終ればまた最初から、ソープ嬢としてのテクニックを叩き込まれる。

食事やトイレの時間以外は、休憩する暇も無く深夜までエンドレスで講習が続く。解放された時には、五人とも精魂尽き果てて放心している有様だった。

「まだ残ってるぞ裕子、綺麗になるまで舐めろ」

社内では“ちゃん”付けで呼ばれているのに、担当たちは名前を呼び捨てにする。そうした奴隷扱いも、この特別OJTの厳しさを実感させる要因だった。

「もっと舌を出せ! チンポを舐める時の要領だ」
「いいか、高級ソーブじゃお客様は神様、てめぇらは発情した牝犬だからな」

食事は美味しかったが、ほんの僅かに皿に付着しているだけのソースを、舌を伸ばして舐め取る事を強要される。トイレは全て監視され、排泄行為は全て担当が見ている前でやらされた。


「はぁあん……あぁん……あふぅ……あはぁ~~」

パァァァンッ!!

全身に石鹸の泡を塗りたくり、抱きつくような格好で担当の男根を迎え入れて、スケベ椅子の上で喘いでいた智子の尻が、小気味の良い音を立てる。浴室のエコー効果で、その音はしばらく反響してから消えた。

「てめぇが楽しんでどうする! 客を楽しませるんだろうが」

「ごめんなさい、でも気持ち良くて……」

「そういう時は客に抱きついてキスしろ、腰は振らねぇでマンコを締め付けるんだ」

マットでは滑り易いローションに苦戦しながら、草野留美が担当の下に潜り込んで菊穴に舌をねじ込んでいる。裕子や美紀も、いや全員がこのサービスには強い抵抗を示したが、担当全員によるアナル舐めの実習をやらされた。


数時間の間、ひたすら担当全員のの菊穴を舐めさせる……。他の四人は正座して説教を受けながら他の者と比較され、時には褒められ時には怒鳴られた。

マンツーマンの講習に戻された時には、全員がアナル舐めに対する嫌悪を感じなくなっていたのである。

「よし留美、そろそろ金玉を舐めてみろ」

「はい、失礼します。んっんうっ……ジュルっ」

男根を握ってしごきながら、睾丸を片方づつ口に含んで転がす。浴槽では麻衣が、水面から顔を出した担当の男根をしゃぶっている。

「あぁん、いいっ! イク……いくぅう~~」

ベッドでは、美紀の舌足らずな可愛い声が、絶頂を迎えた事を告げていた。担当とのセックスは、ひと通りソープ嬢としてのサービスをやり遂げた事に対する、ご褒美でもあった。


信じられないことだが、平沼たちは射精のタイミングを自在にコントロール出来るらしい。ベッドで裕子たちを二度三度とアクメに追い込みながら、自分たちは満足しないままで講習を終らせるのだ。

(当然だろう、これは講習だからな。中に出して良いのは客だけだ)

なぜベッドの講習で誰も中に出さないのか? という美紀の疑問に、笑いながら答えた平沼に、なるほどと納得させられると同時に、改めてこれは講習なのだと思った。

(いいか? 客が発射したモノは一滴たりとも零すんじゃねぇ! これは基本だ)

担当が射精するのは、それを実践させる為だった。マットの講習でもスケベ椅子の講習でも、担当はお掃除フェラをやらせる為に射精し、裕子たちは一滴残らず舐め取る事を強要された。


「トイレに行くぞ麻衣、着いて来い」

「はい……」

担当がトイレに立った時は、即尺の練習を兼ねて用を足した後の男根を直ぐに咥え、舌と唇を使って綺麗にするよう指導されている。

(コレ使えるかもしれないわね……。沢井主任に打診してみよう)

この即尺サービスは、8Fのラウンジで行っている裏接待にも応用できる……、と密かに裕子は考えていた。

どうせ、風俗店並みの使い方をしている、汚れ仕事専用の特別室だ。お得意様がトイレに立った時、女子社員が付き添って、即尺で後始末をするサービスを提供しても問題は無いだろう。


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