投稿作品集 > 名門黒咲高校水泳部 p.04

このストーリーは、bbs にて、鳳仙 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は 鳳仙 氏にあります。



「およそあらゆる競技に於いて、優れた選手が喝采を浴びるとは限らない。優勝候補と目されてていても、無惨な敗北を喫した例など世の中ごまんとある。そして、敗北する原因の殆どは、精神面での敗れである。

僅かな心の動揺であったり油断であったり、集中力がここ一番で切れる者が、勝負の明暗の暗を引き当てるのだ。「もっとやれた」「全力を出せなかった」、等の後悔を、後輩達にさせたくない。

故に、多少の事では揺るがない強い精神力を養う為に、過度と思える程の教育を施す。そしてその教育こそが、不純因子の輩を除き、本気の者だけを残すのだ」

聞き終わると、紗香は自分の無思慮を恥じ、入部式での彼の宣言を思い出した。

『そうだ……立花先輩は最初に言ってくれてた……』

そして何より心に響いたのは、「実力を出せずに終わる奴が可哀想」という一言である。厳しい練習と教育。紗香は、それに気圧されて、この水泳部の精神構造を理解してなかったと気付く。


「紗香、涼子はな、お前を褒めてたぞ。1年の中で、最も見込みがあるってな」

「え? り、涼子先輩がですか!?」

今年の女子奴隷には、中村友里を筆頭に平民扱いされている女子が四人いる。その四人は勿論、一般の中でも自分は下の方という自覚があった。なのに、叱られてばかりの自分を、涼子が高く評価しているとは正に意外である。

「“原口紗香、水泳を始めたのは中学からと遅い。にも拘らず、中学3年の時、地区とはいえ入賞を果たす。とにかく練習に直向きな態度と、先輩の言葉を素直に聴く姿勢は素晴らしい。メンタル面の弱さを克服すれば、中村の上も夢ではない。故に私は、殊更彼女に厳しく当たる” 紗香、これが涼子から聞いたお前への評価だ」

『涼子先輩が私の事を……』

立花の説明に、紗香は感激に震えた。目頭が熱くなり、涙が出そうなのを上を向いて堪えた。

「最後になるが……、人前で教育される事と、大事な試合で実力出せず終わる事、お前ならどっちが嫌だ?」


「試合で実力出せない方が嫌ですっ!」

最後の質問に、紗香は即答した。

『これは自分の心を試されてるっ。そして先輩逹は、私に期待しているっ!』

彼女がそう思った理由――。まず「人前で教育を受けるのが嫌か?」これは、練習中の気合い入れに泣いた事を言っているのであり、自分の『メンタル面の弱さ』を暗に指摘しているのであろう。

次の「試合で実力出せない方が嫌か?」これを選ぶかどうかで、紗香自身が高みを目指す志があるかを、見極めようとしているのであろう。

それまでの話は、この水泳部の心構えを改めて教えているのであり、でなければこんな諭すような言い方をする必要はない。単なる罰や訓戒とあらば、有無を云わせず教育とする筈である。


以上の事を推測するに――。涼子が男子に、自分の『メンタル面の強化』を頼んだと考えるのが妥当である。その証拠が、男子の部室へ呼ばれた事、立花の最後の質問が、自分の覚悟を確かめている事である。

素直で真面目な性格の紗香は、涼子の期待や立花の気遣いを、限りなく嬉しく思った。と同時に、その二人の尊敬する王の教育に指導は、期待に応えるべく全て受け入れる決心をした。

彼女は立ち上がり、直立の姿勢を取ると、

「立花先輩っ、並びに三年男子の先輩方っ! 心得違いをし、過ちを犯した紗香に、き、気合い入れをお願いしますっ! そして心からのお願いですが、紗香が強くなるようご指導の程っ、宜しくお願いいたしますっ!」

そう挨拶をし、深々と頭を下げた。


王逹は一斉にどよめいた。彼らの顔には、一様に驚きが表れている。中でも、立花は莞爾としながら、彼女に拍手を贈った。そして感に打たれたような表情で、

「紗香、よく分かったなっ! で、お前の心得違いに過ちとは?」

と訊ねた。

「はいっ、入部式で立花先輩が仰いました意味、それをよく理解してませんでしたっ! それが今日の気合い入れで泣いた原因であり、男子部員の皆様へ迷惑を掛ける事にもなりましたっ! 立花先輩っ、紗香に気合い入れっ、お願いしますっ!」

依然、頭を下げたままの彼女に、立花は大きく頷いた。彼は席を立つと、部室の隅にある棚から、竹の棒を取り上げた。

「紗香、顔を上げろ」

「はいっ!」

キュッと結んだ口元。少し紅潮した頬。自分の視線に、揺るがない瞳。その紗香の表情は、強い決意を感じさせた。立花はそれを認めつつも、まだ諾とはしない。


「紗香、何故涼子でなく、俺達に指導を頼む?」

「はいっ、男子部に呼ばれた理由っ、それは涼子先輩が立花先輩に私の指導を頼んだと思うからですっ!」

「うむ、紗香の洞察力は凄いな。ならば、何故涼子が俺達に頼んだか、理由は分かるか?」

ここで紗香は、ちょっと首を傾げた。

「そ、それは多分、男子の先輩方からの方が効果が大きいという理由……だと思いますっ!」

「……その通りだが、紗香はそれでいいんだな? 体罰のみ、女子として考慮はするが、その他に於いては男子部員と同じに扱う、それでも受け入れるか?」

そう念を押されたが、紗香の表情に動揺は無かった。むしろ、体罰は女子として考慮するの一言に、安堵した程だ。


「はいっ、構いませんっ!」

彼女はハッキリと、そう応えた。

「よしっ、では紗香の指導を引き受ける。まず、気合い入れだが、殊勝な態度に免じて二回っ! いいなっ!?」

立花の開始の合図に、紗香は水着をお尻に食い込ませ、気合い入れの姿勢をとった。

「はいっ、ありがとうございますっ! 気合い入れ二回っ、お願いしますっ!」

その露になった双臀は、練習中に受けた気合い入れの痕が薄く残っていた。しかしそれを除けば、滑らかな質感を湛えていて、白く輝いている。立花は、その可愛いお尻に、竹の棒を降り下ろした。


ビシィッ!
ビシィッ!

「あっ……! っいぃっ! き、気合い入れっ、ありがとうございますっ!」

紗香は、鋭い痛みにお尻をくねらせ、感謝の言葉を口にした。が、立花の「よし」という声はない。彼女は姿勢をそのままに、彼の次の言葉を待った。

「紗香、体罰以外は男子と同じに扱う、そう言ったよな? やり直しっ!」

『え……? 男子と同じ……?』

紗香は首を捻った。姿勢の悪さや、声の小ささでのやり直しではない、どうやら姿勢は男子に倣えという事らしい。そして彼女はハッとした。

『男子の気合い入れは、お尻を出して……。それはつまり、水着を脱ぐ……。えぇーーーっ!?』

紗香の動揺に、立花も気付いた。彼は先程までの優しさから一変、厳しい言葉で先を促す。

「分かったようだなっ? 紗香、10数えるっ! それまでに気合い入れの姿勢をとれっ!」


カウントダウンが始まると、紗香は我に返った。

『……お願いしたのは私。だったら、自分の言葉に責任持たないとっ』

胃が縮こまるような緊張と、身体中を震わす羞恥に見舞われたが、紗香は水着に手を掛けた。

『最初で折れたら、それこそ申し訳ないっ! 紗香っ、脱ぎますっ!』

健気にも彼女は、涼子や立花の信を失う事より、異性の前で裸になる羞恥を選んだ。王達が背後にいる事も、僅かに救いとなった彼女は、目の前の無人の室内を視界に納めながら、一気に太ももの付け根まで水着を下げ、お尻を丸出しにした。

『あぁ……は、恥ずかしいよぉ……』

とはいえ、やはり恥ずかしくはある。そして、そのまま姿勢を取ろうとしたが、ふと女子部室での佐々木を思い出した。


『水着の下ろし方が不十分』

彼はそう注意され、叩かれる回数ばかり増やされた。結局それは、反省の態度が希薄に感じられた為ではないか? そう思えた。ましてこの気合い入れは、自ら志願した事である。

『そうだ……反省の気持ちはちゃんと見せないと……』

どのみち、ここまで脱げば全裸と変わりはない。彼女は、再び水着に手を掛け、そのまま勢いよく脱いだ。そして、カウントギリギリで姿勢を取り、

「立花先輩っ、き、気合い入れのやり直しっ! お願いしますっ!」

と、挨拶をした。

全裸で足を開いた前屈姿勢。当然であるが、まだ淡くあどけない秘処や、その真上の可憐な菊座も、王達の目に晒される。紗香はその巨大な羞恥を、お尻を小刻みに震わす事で表した。


「よし紗香っ、完璧だっ! 気合い入れ二回っ、いくぞっ!」

ビシィッ!
ビシィッ!

「あつぅっ……! ひぐっ! ……た、立花先輩っ! 気合い入れっ、ありがとうございますぅっ!」

「よし紗香っ、直立姿勢をとれっ!」

異性の前で全裸直立。これはこれで、秘処や肛門を晒すに匹敵する羞恥だった。

小ぶりながらも形のよい胸。センターを残し、綺麗に剃りあげた恥毛。そしてその恥毛の隙間から覗く陰裂。それらを隠せず王達の目に晒す。紗香は今にも泣かんばかりな表情であった。

それに対し、王達は無言で温かな眼差しを彼女に送る。彼らとて、紗香の一生懸命はよく分かっていた。

「紗香、今日お前は練習中に泣いた。だが今は涙一つ無く、見事に受け止めたっ! よく頑張ったな、えらいぞっ!」


立花はそう褒めると、裸身の紗香に右手を伸ばす。彼女は一瞬ビクリとしたが、作法通り、直立の姿勢を維持した。

「うん、いい子だ」

彼の手は、紗香の頭上で止まり、その髪を優しく撫でた。辛いことこの上ない姿だが、立花が褒めて頭を撫でてくれる事で、紗香の心に安らぎが生まれる。

「あ、ありがとうございます……」

「紗香、今から指導に入るが、いいな?」

「はいっ、宜しくお願いいたしますっ!」

「よし、じゃあ水着を着ろ」

紗香は安堵した。もしかしたら、全裸のまま指導が始まるのでは? と内心恐々としていたのだ。


彼女が王達に背を向け、水着を着ている間に、立花は他の王四人にカードを配る。

「プールはまだいるよな?」

立花の確認に、他の王が答える。

「アヒルとウサギ、五周ずつだろ? まだ佐々木さえ終わったかどうかだよ」
「よし、じゃあお前プールな」

彼の指示で、四人は次々に部室から出ていく。

部室で立花と二人きりになると、紗香は明らかに嬉々とした様子へと変わる。

「立花先輩っ、準備出来ましたっ!」

その声色も弾んでいた。

「よし紗香、まず回れ右っ」

全裸さえ躊躇わなかった彼女である。当然、それにも素直に従った。


すると立花は、いきなり紗香の水着をお尻に食い込ませ、限りなく双臀を露にさせる。

『きゃっ……!』

思わず悲鳴を上げそうになったが、紗香は何とか堪えた。続いて彼は、水着が戻らないように、お尻の上、絞った水着をクリップで止める。これにより、紗香のお尻はTバック状態となった。

彼は再び回れ右を命じた。

「紗香、今お前のお尻はほぼ丸出しで、叩かれた痕もよく見える」

「は、はいっ!」

紗香は顔を紅くした。


「で、指導だが、至ってシンプルなルールだ。俺以外の3年が、プール、グラウンド、体育館、柔剣道場に向かった。彼らにはカードを持たせているから、それを今からお前が行って、回収してくる。そしてその間、後ろのクリップを外すのは勿論、触るのも厳禁だ。分かったな?」

そのルール説明に、紗香は仰け反らんばかりに驚いた。

プール、グラウンド、体育館、柔剣道場。どこにしても、部活動に勤しむ生徒がいる筈である。

そこへこんな情けない姿で訪れれば、丸出しに近いお尻ばかりか、叩かれた痕まで衆目に晒す羽目になってしまう。


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