投稿作品集 > オリエンテーション合宿

このストーリーは、bbs にて、のりぞう 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は のりぞう 氏にあります。



― 1 ―

今日から三日間、新人さん達の練習はお休み。お休みと言っても新人さん達に休養が与えられたと言う訳ではありません。彼女達は今頃、新入生を対象にしたオリエンテーション合宿でしごかれている事でしょう。

オリエンテーション合宿は、毎年、海沿いの町にある研修施設で行われています。新人さん達が居ないから、部長さんは心なしか少し元気がなさそうです。

私もオリエンテーション合宿で散々しごかれたものです。オリエンテーション合宿の最中、お風呂に入る時と早朝水泳で水着を着る以外、基本的に体操服で過ごします。

男子の体操着はポロシャツにハーフパンツを穿いているのに、私達女子の体操着は薄手の丸首タイプの体操シャツにブルマ。

ポロシャツにハーフパンツ姿の男子の隣で整列していると、身に着けている体操服の違いで男子と女子との立場の違いをまざまざと見せつけられました。

シャツから透けて見えるブラジャーや、ブルマがピッチリと貼り付いているヒップライン、それに、剥き出しになった太もも辺りに男子達の視線を感じる事がありました。

男子の視線に恥ずかしがったり嫌悪感を示したりすると、先生達は私達のお尻や太ももを引っ叩きながら「何を恥ずかしがっている。恥ずかしがるのは集中していないからだろ」と怒りましたが、「自然と目に入るものだから、男子は女子の体操服姿を見たくて見ている訳ではない」と言う理由で、好奇な目を向ける男子達は怒られる事はありませんでした。

私達ばっかり怒られて、何だか不公平な話です。終始こんな感じだから、私達の身体をどれだけ見ても怒られないと知った男子の中には、最初は遠慮気味にしていた子も時間が経つにつれて私達の身体に無遠慮な目を向ける事になるのです。

私達は先生に怒られるのが嫌で、仕方なく、黙って男子達の視線に耐えるしかありませんでした。


― 2 ―

私達の通っている高校の女子の体操服はブルマ。小学校、中学校とブルマを穿いていた私ですら、ブルマ姿になると緊張したり恥ずかしさを覚えたりするものです。

この緊張感や恥ずかしさはチアバトン部としてとても大切な心の動きだと思っています。こんな風に考えるようになったのは、チアバトン部の躾の賜物かな?

高校に入ってブルマを初めて穿いたと言う女の子ばかり。小、中とブルマを穿いていた子の方が少数かもしれません。おそらく、新入生全体の一割も満たなかったでしょうね。

中学時代もブルマを穿いていた私の脚は太ももまで浅黒く日焼けしていましたが、ハーフパンツやクォーターパンツを穿いていた子の脚は膝の上から真っ白でした。

真っ白で日焼けしていない太ももと紺色のブルマのコントラストが何となく刺激的に見えます。同性である私の目から見て刺激的に見えたのだから、異性である男子達の目にはどう映ったのでしょう?

真っ白な肌と対照的な紺色のブルマは、ハーフパンツとブルマとの下半身を覆う布地の違いを実感する事になるから、きっと、ブルマを初めて穿いた子にしてみれば、腰回り覆う小さなブルマに心細い気持ちでいた事でしょう。

私も日焼けあとを見られると言うのは下着を見られるのと同じぐらいに恥ずかしく感じるのです。

激しい運動をしている時にブルマの裾が捲り上がると、ブルマの下から日焼けしていない白な肌がチラリと顔を覗かせます。

ハーフパンツと違ってブルマで日焼けしていない肌の部分と言うと、脚の付け根とかお尻のお肉辺りですから、下着を見られるのと同じぐらい恥ずかしく感じるのです。


― 3 ―

部長さんは新人さんの子達に穴あきブルマを穿いて合宿に参加する様に指導していました。

私もオリエンテーション合宿に参加する時に、当時のチアバトン部の部長さんから穴あきブルマを穿いて合宿に参加する様に言われたものです。

合宿先の施設に着いて部屋に入って制服のスカートを脱いでブルマに穿き替える時、スカートと一緒に下着を下ろした私の姿に、ルームメイトの子達が驚いていたよ。

下着を穿かずにクロッチに穴の開いたブルマを穿くのだから、驚くなと言う方が無理な話ですよね。

私に対して何か言いたげなルームメイトに私は、「これも、部活の特訓だから……」と作り笑いをして説明したけど、私の心の中は穏やかではありませんでした。

ブルマですら恥ずかしいと言うのに、股間が丸見えになる様に股布の一部が切り抜かれているのですよ。

しかも、都合が悪いことに、合宿の日と月のモノが重なっていたのです。ブルマに穴が開いているから当然ナプキンなんて使えませんから、嫌でもタンポンを入れる事になります。

穴の開いたブルマからタンポンの紐がぶら下がっているのです。男子だけじゃなくて、女子からも好奇な目に晒されました。

運動部に入っている女子の中には部活の特訓と納得していたし、同情もしてくれたけれど、同じ女子でも文化部に入っていた子達からは、表面上は、「大丈夫? 恥ずかしくない?」と私に同情してくれていたけど、いくら部長からの指示とは言っても、オマンコを丸出しにしてタンポンの紐を見せびらかすような子と同じ女子と見られたくないわ、と心の内で私の事を蔑んでいる事をひしひしと感じました。

私はブルマの穴からワレメを見られる事以上に、股間に伸びるタンポンの紐を見られる方が恥ずかしかったですね。


― 4 ―

オリエンテーション合宿では集団行動をやらされたり、校歌を唄わされたりした。

ひたすら行進させられたり、右や左や回れ右をやらされたり、散開と集合の練習をされせました。少しでも動きが揃わなかったら、太ももやお尻を容赦なく叩かれました。

先生達は一日中、私達の太ももやお尻を叩くわけだから、いちいち手で叩いていたら先生たちの手のひらが痛くなります。そこで登場するのが、スチール製の定規や細くて良くしなる鞭の様な木の棒です。

太ももやお尻を叩かれるたびに、パチン、パチンと肌を打つ音と、痛みに耐える私達の呻き声が上がりました。

私達女子生徒が極度の緊張と肌を打たれる痛みに晒されながら集団行動をやらされている時、男子達と言えば、バレーボールや野球をやったり、長距離マラソンといいながら、眺めの良い海岸線を散歩したりして過ごしていました。

そんな気楽なメニューなのに、やる気がないと判断される男子が居ました。

そんなやる気の見えない男子には、反省を促すために、太ももやお尻を滅多打ちにされながら集団行動をしている私達の様子を見学させていました。

時には女子達がどれだけ大変な目に遭いながら合宿に参加しているのかを知らしめるために、わざわざ男子の前に立たされて、痣や蚯蚓腫れの出来た太ももを見せたり、ブルマを無理やり下されて、青紫色に変色したお尻を見させたりしました。

下半身に出来た痣や傷跡を見せつけられた男子は、「女子ががんばっているのにボクはサボっていました。もっと真剣に合宿に参加しないといけないと反省しました」とテンプレート通りの反省の言葉述べさせられて終わりです。

先生は決して男子達に手を挙げる事はありませんでした。私達は、下半身を滅多打ちにされる痛みやお尻を見られた恥ずかしさよりも、男子達との扱いの違いに涙したのです。


― 5 ―

合宿の最中、毎朝日の出前に起床してスクール水着に着替えると、軽い準備体操の後にランニングをやらされました。走る距離は10キロぐらいだったと思います。

日の出前の薄暗い中をスクール水着姿の女子高生の集団がランニングをしているのです。傍から見れば異様な光景に違いありません。

ランニングの最中、少しでもペースを落とせば折檻の対象になります。この時先生は、走っている私達を競走馬に見立てて私達の太ももやお尻を鞭で叩きました。

鞭を振るわれた私達は、痛みに耐えきれず痛みを少しでも和らげようと、走るスピードを上げるのです。

下半身に鞭を打たれながら片道5キロの道のりを走らされると、浜辺に降りて海に入れさせられました。

季節は5月の中頃。しかも、早朝です。海に入るのには厳しすぎる条件ですが、そんな事はお構いなしで、先生達に追い立てられるように海の中に入って行く私達。

寒さと冷たさと、下半身の傷痕に滲みる塩水の痛みで甲高い悲鳴が早朝の海空に響き渡りました。

冷たい海水の中に浸かり、凍りつく様な冷たさと、傷痕から絶え間なく押し寄せる痛みに悲鳴を上げる私達は当然ながら、気合が足りないと怒られる事になります。

「悲鳴を上げるぐらい無駄な大声が出るなら、それだけの声量で校歌を歌え」

先生からの命令で、私達は海水に浸かりながら大声で校歌を歌わされました。10分近く海の中で大声を張り上げて校歌を歌わされました。

砂浜に上がった私達は、冷たさと疲れの為に顔面蒼白、唇が紫色に変色して、全身が粟立ち、乳首が恥ずかしいぐらいに勃起していました。

それでも私達は、濡れた身体を拭く暇も与えられず、ずぶ濡れのまま復路の5キロの道を走らされたのです。濡れた身体に海風が当たり、寒さに震え、勃起した乳首が水着に擦れて疼痛感を伴って、とても惨めな帰り道でした。

海水と汗とでずぶ濡れになった私達が合宿している施設に辿り着いた時、男子達はようやく起き出したのでした。


― 最終章 ―

この合宿が終わった後、大勢の女子生徒が自主退学しました。

入学時に比べ、女子の生徒数は半数以下になっていました。こんな酷い目に逢わされれば当然の判断だと思います。むしろ、退学しない方がおかしいと思うのです。

それでも、退学せずに学校に残る子がいるのです。そんな学校に残った女子生徒の一人が私と言う訳ですね。退学せずに在学の判断をした残りの女子生徒達は合宿以前に比べて団結力が高まったように思いました。

過剰とも言える指導に耐え抜くには、団結して乗り切るしかない事を合宿の時に学んだからです。女子生徒の数が減ってしまった事は寂しいことですが、生徒数が減った分、残った子達とは濃密な関係を結ぶことになります。

私の通っている学校では、女子生徒同士が異常なまでに仲が良くて濃密なスキンシップをはかっているのはその表れだと思っています。

合宿が終わった後、どれだけの後輩さん達が残るのでしょう?

部長さんが元気なさそうに見えるのは、私の様に後輩さん達が脱落していくのを憂えているのかもしれません。でも、女子生徒に対して厳しすぎる校風では、後輩さんの数が減るのは仕方ないこと諦めています。

そんな死んだ子の年を数える事よりも、合宿が終わって学校に残った後輩さん達と濃密な学校生活を送られる事を考えた方が建設的だと思いませんか?

これから後輩さん達と過ごす日々を想うと、私の胸は高鳴るのでした。


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