投稿作品集 > 雨宮、部活でしごかれてるってよ 告白編 p.07
このストーリーは、bbs にて、DD 氏より投稿していただいた作品です。 この作品の著作権は DD 氏にあります。
冬になった。結局、千晴と大沢先輩の関係はわからずじまいである。雨宮さんとの関係も微妙な距離感を残したままだった。
ブログは相変わらず更新されているようだ。コメントを書き込んできた「ひろ」さんとも何回かやり取りし、「お互い辛いけど頑張っていこう」というノリで励まし合っている。
その後、ひろさんは何度か自らの体験を披露してくれたが、いずれも衝撃的な内容だった。
全裸逆立ちとか、水着姿でのグラウンド罰走など、ソフトボール部はまだ女子部員だけだが、男女合同練習なのでなんとも羨ま……いや、かわいそうである。いつもあんなにひどい目に遭っている雨宮さんでさえ、驚きのコメントを書き込んでいた。
もし雨宮さんと同じ部活で、そんな目に遭っているところを目撃したら……。僕はもう毎日興奮して眠れなそうだ。
たった五分練習に遅刻しただけで、水着を腰まで脱がされ、上半身裸のまま一時間正座させられるような部活である。僕だったら練習にちっとも集中できないだろう。
千晴と大沢先輩のことをいっそ、この掲示板に書き込もうと思ったこともある。しかし、もし万が一にも僕だということがバレだら、それこそ、永久に雨宮さんは口を聞いてくれなくなるだろう。
一人だけ、この胸の内を聞いてくれそうな人がいた。神矢先輩である。
僕の目の前でおしりを丸出しにさせて、雨宮さんにお仕置きをしようとした人だ。男子の先輩に生尻を叩いてもらう女子部員の気持ちも理解できるかもしれない。
ただ、ひとつ気がかりなのは、バイト先で神矢先輩自身が罰を受けた時、僕が彼女のむき出しのおしりを見てしまったことだ。サバサバしているように見えるけど、先輩も女性だ。ひょっとしたら気にしているかもしれない。
それでも、僕はこのまま悶々とした気持ちを抱えることに耐え切れず、先輩に話す決心をした。
合宿以来、先輩にも一度も会っていない。会えるとしたら購買部だろう。運良く、パンを買いに来た神谷先輩をつかまえることができた。
「やぁ、元気だった?」
先輩はおしりを見られたことを少しも気にしているふうではなかった。僕は先輩に屋上でいっしょにランチを食べませんかと誘った。彼女は楽しそうな顔で「いいよ」と答えた。
北風が少し冷たかったが、よく晴れていた。寒いせいか、それほど人がいない。会話を盗み聞きされる心配もなかった。
「で、話ってなに?」
「実は……」
僕は先日目撃したことをありのままに語った。
すべて聴き終えた先輩は、
「それ、千晴ってコが先輩にケツ叩いてくださいって頼んだんじゃないか?」
「えっ?」
僕は思わず聞き返した。
「そんなこと、ありえますか?」
「だって、その先輩が上級生権限で後輩の女子部員にいやらしいことをするタイプじゃないんだろう?」
「まぁ、そうですけど」
「だったら、そう考える方が自然じゃないか」
「でも、なんのために?」
「シゴいてほしかったんだよ」
僕は先輩の話がまったく理解できなかった。しかし、先輩の顔は冗談を行っているように見えない。
「世の中にはそういう子もいるんだって」
あまりにも力説する先輩に、僕は、
「もしかして、先輩もそういうタイプですか?」
とからかった。すると、先輩は顔を真っ赤にして怒った。
「バ、バカヤロー。そんなわけないだろ? 私はシゴく方専門。しごかれるなんてごめんだね」
あまりの慌てぶりがおかしくて、僕はしばらく笑いが止まらなかった。
「おい、笑いすぎだぞ」
先輩は不機嫌そうにプイとそっぽを向いてしまった。
確かに先輩の言う通りなら辻褄は合う。そういえば、以前、大沢先輩から二人でケツラケ受けた時もそんなに嫌そうにしてなかったよな。中学時代の体罰の話をしている時もどこか懐かしそうな口ぶりだった。
僕は試しに千晴にカマをかけてみた。
「森谷って、部活やめたいと思ったことないの?」
帰り道、二人きりになった瞬間を見計らってそう切り出してみた。
「え、なんで?」
「いや、他の部ほどじゃないけど、うちも結構練習キツいじゃん。大沢先輩とか、超怖いし」
「ううん。ぜんぜん平気」
千晴は笑って答えた。
「ぶたれたりしても嫌じゃない?」
「ぶたれる自分が悪いんだもん。逆にそこまで親身になって指導してくれて嬉しいよ」
やっぱり……。神矢先輩のカンは正しかったみたいだ。僕はショックだった。入部以来、結構親しくしていた同期の女子部員からそんな発言を聞くなんて……。
「でも、なんでそんなこと聞くの?」
「えっ……」
僕は思わず言葉に詰まった。
「あ、雨宮が結構、部活でしごかれているみたいだから」
「ふーん」
千晴は目を細めて僕の顔を見た。
「なんだよ?」
「奈央子のこと、好きなんだ?」
「ちがうって!!」
「別に隠さなくてもいいじゃん」
「だからぁ!」
「大丈夫。あの子、強いもん。中学の時だって、クラスのみんなをかばって、先生からおしり百発叩かれたりしてたんだよ」
千晴と雨宮さんは同じ中学の出身だった。彼女たちの学校は厳しかったらしく、教師が体罰を振るうのも珍しいことではなかったという。
千晴の話では、自習時間にクラスみんなで騒いでいたら隣の教室で授業をしていた教師が怒鳴り込んできて、全員ケツバットされそうになった時、雨宮さんが「クラス委員の私の責任です」と言って、クラス全員の見ている前で黒板に手をついて、1メートルものさしで百発尻をぶたれたらしい。
「もうハンパなかったよ。バシーン、バシーンって、その教師も手加減なしで。気の弱い子なんて泣き出しちゃって。でも、奈央子は涙一粒こぼさなかったんだ。私、保健係だったから、その後、彼女を保健室に連れてって手当をしてあげたけど、おしり真っ赤になってたもん」
おいおい。その時の雨宮さんの姿、想像しちゃったじゃないか。
*
昼間の保健室。ふらふらな足取りの雨宮さんを支えながら千晴が入ってくる。雨宮さんはうつぶせにベッドに倒れこむ。
「奈央子、だいじょうぶ? 今、薬塗ってあげるからね」
保健の先生に塗り薬をもらった千晴が雨宮さんのスカートをゆっくりと持ち上げる。太ももが露わになり、下着まで丸見えになる。中学生っぽいシンプルな白いショーツだ。下着からはみ出た尻肉はまるで炙られたように赤く腫れている。
千晴は躊躇うことなく、白いショーツを脱がす。雨宮さんも抵抗しない。適度に肉のついた生尻が現れる。きれいな二つのふくらみ。無惨に真っ赤に染められている。
「うわぁ」
千晴が思わず声を漏らす。
「そんなにひどいの?」
友人の前でしか漏らさない気弱な声で雨宮さんが尋ねる。
「うん。痛そう……」
そう呟きながらも千晴の顔が紅潮している。
(もし自分も厳しくお仕置きされてしまったから、おしりがこんなふうになっちゃうのかな)
千晴は赤くなった雨宮さんの尻をうっとりと見つめながら、自分が竹の物差しで激しく尻を打たれているところを想像する。
下着の股の間の部分がしんわり湿ったように感じる。
(いけない。奈央子のおしりを治療してあげなきゃ)
千晴は妄想を振り払って、容器の蓋を取り、指先にクリームをつけて、罰せられた雨宮さんの尻にやさしく塗ってあげる。
「うっ」
雨宮さんが少し声を漏らす……。
「そ、そうなんだ」
興奮していることを気づかれたくなくて、僕は慌てて相槌を打った。
*
その数日後、僕は神矢先輩から屋上に呼び出された。先輩はいつもと様子が違って、モジモジしていた。
「なんですか、用事って?」
僕が聞くと、先輩は言いにくそうに口を開いた。
「ごめんなさい。この間、嘘をつきました」
「嘘?」
聞きなれない先輩の敬語に戸惑いながら尋ねると先輩はこう答えた。
「私も実はシゴかれたい願望があるの」
(続)
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