エースの屈辱 > 第二部 vs.マネージャー p.02
「人に指導しておいて、自分は守らない。こんなことって通用しませんよね?」
「……」
「通用しませんよね? 返事をしてください」
「……はい」
「では、今すぐ、そのルール違反の下着を脱いでください。今すぐです」
「ここで?」
「ここ以外のどこで? さぁ、今すぐです。なにもずっと裸でいろって言っているんじゃありませんよ。下着を脱げばいいだけです。一瞬だけ下半身裸になって、すぐにブルマを穿けばいいだけです」
「一瞬って……、その瞬間に誰かに見られていたら……」
「口答えですか? あのですね、先輩。これは先輩たちが私たち1年に強いてきたことですよ。
私たちは1年は、毎週のように先輩たちの下着検査を受けています。それも、こんなバスの物陰にあたるところなんかじゃなく、部室の前の目立つところで、ブルマを膝まで下ろして下着を見せていますよね。それに比べたら、どうってことはないですよ」
「でもそれは、下着までじゃないの……。脱がせたことなんて……」
「あらあら。お忘れのようですね。やっぱりこういうことって、やらせた方は忘れているものですよね。やらされた方はいつまででも覚えています。恥をかかされたわけですからね。
私たち1年は、部室の前で下着を脱ぎました。もちろん、周りには男子もたくさんいましたよ。それも、一人だけ違反の下着を穿いていた人がいて、それなのに先輩は、連帯責任とか言って全員の下着を没収したんでしたよね。思い出しましたか?」
「……」
「まぁ、いいでしょう。では、選択肢を与えてあげます。下着を脱いで、ブルマ直穿きでこのあとのトレーニングをするのか、それとも、ブルマだけを脱いで、パンツ丸出しでこのあとのトレーニングをするのか。どちらにしますか?
一瞬だけ凄く恥ずかしい思いをするのか、長い時間ちょっとだけ恥ずかしい思いをするのか、です。まぁ、せっかく可愛い下着を穿いているのですから、後者も悪くないですよね。見せるために可愛いの穿いてるんですよね」
「……直穿きにするわ」
「世話の焼ける先輩ですねぇ。初めからそうすればいいんですよ」
植草は、一旦立ち上がると、ブルマからTシャツの裾を出し、目一杯下に伸ばす。周りを見渡してから、ブルマのゴムの部分を掴むと、一気に足首まで押し下げた。
前かがみのまま、ブルマを足先から抜き取ると、すぐに下着に手をかけ、それも下ろす。すぐに足から抜き取ると、ブルマを再び穿こうとした。が……。
しまった、と思った植草は、しかし、手遅れだった。足先から抜き取ったブルマを鮎川に拾われてしまったのだ。
前かがみのままTシャツを伸ばし、拾い上げた下着を丸め、一番恥ずかしい部分をそれで隠す。
「約束が違うじゃないの。ブルマを返してっ」
左手で股間を隠しながら、右手を鮎川の方へと伸ばす。しかし、それをあざ笑うかのように、鮎川はブルマを人差し指にかけ、それをクルクルと回した。
「まずは、下着をこちらへ」
鮎川は手を差し出しながら言う。植草は左手の中の下着を鮎川へ渡す。逆らわない方がいいという判断だろう。
「“ブルマを穿かせてください”、はいどうぞ」
鮎川が復唱を促す。
「ブルマを穿かせてください」
「そんな中腰の情けない格好で、お願いする人がいますか? 気を付けをして、お辞儀です。120度ですよ」
植草は周りを見渡して、誰もいないことを確認すると、ゆっくりと背筋を伸ばす。恥ずかしい部分を隠していたTシャツの裾が自然と持ち上がる。植草は両手で大事そうに最も恥ずかしい部分を覆った。
内股気味に太ももをくっ付け、両手で股間を隠す。しかし、それで鮎川のお許しが出るはずもなかった。
「気をつけです。手は体の横。幼稚園児でもできることですよ」
鮎川は、植草の手の甲をノックバットで突付きながら言う。
植草が小刻みに震わせた手を体の横につけると、覆われていたその部分から、黒々とした茂みが現れた。鮎川は、その茂みをノックバットの先で撫でるように行き来させる。
次に、植草の後ろに回った鮎川は、キュッと閉じられたお尻の割れ目にノックバットを這わせる。
「さぁ、“ブルマを穿かせてください”、ですよ。120度のお辞儀と共に。どうぞ。早くしないと、誰か来ちゃうかもしれませんよ」
背後に回った鮎川、そして、お尻の割れ目に触れているノックバットの存在。深くお辞儀をしたらどうなるか、植草が想像するのは簡単だった。
「ぶ……、ブルマを穿かせてください」
しかし、植草に拒否権はない。体の横につけた手をギュッと握り締め、小刻みに震わせながら、徐々に頭を下げていった。
「お辞儀は120度ですよ」
追い打ちをかける鮎川。頭を下げれば下げるほど、Tシャツの裾はめくり上がり、お尻が突き出していく。そして、徐々に広がっていくお尻の割れ目の奥に、ノックバットの先っぽが迫っていった。
「もっと深くです」
鮎川の言葉で、さらに頭を下げる植草。後ろに立つ鮎川からは、腰を折った植草のパックリと開かれたお尻の割れ目の奥に、透き通るような肌色とは対照的なこげ茶色の肛門が顔を覗かせていた。
グリグリと肛門にノックバットの先っぽを押し付け、そのバットの先を下方向へと這わせる。抵抗するようにギュッと閉じられた植草の太ももの間に強引にノックバットの先を差し入れた。
「……ください」
「ん? なんですか?」
「ブルマを穿かせてください……。おねがいします……」
か細い声で、絞り出すように植草は言った。
「あぁ、そうでしたね」
とぼけたように言い、鮎川は股下からバットを抜き取ると、植草の正面に立つ。
「頭を上げてください」
素直に従う植草。鮎川に指摘されるまでもなく、両腕を体の横につけ、直立の姿勢をつくった。Tシャツの裾のすぐ下には、黒々とした茂みが情けなく生い茂る。
鮎川は見逃さなかった。
「先輩の下着、なんか、湿ってるんですよねぇ」
「え……。それは、汗で……。試合のあとだし……」
「はい。汗でしょうね。全体的に湿ってます。ただですね……」
そう言うと鮎川は、植草の脱ぎたての下着をおもむろに裏返し、股布の内側を自分の鼻に近づけた。
「うーん。この部分が、なぜか特に湿っているんですよ。それに、変なにおいがします。ほら」
鮎川は、その湿った股布の部分を、今度は植草の鼻に近づけ、それを鼻に押し付けた。
「ね。妙に湿ってますよね。においますし」
咳き込む植草。
「ちょっと調べますので、両手を頭の後ろへ。足を肩幅に開いてください」
「え……」
「これは監督指導者としての命令です。さぁ、はやく」
諦めたように両足を広げ、両腕を上げると、覚悟を決めたかのように、植草は息を止めた。
鮎川は、黒々とした茂みへ無遠慮に手を伸ばす。そして、そこを撫でるように、ゆっくりと指先を動かした。
くちゅくちゅ。
「あぁ、やっぱり、ここが原因ですね」
ねっとりとした恥ずかしい音とは対照的に、サバサバと言い放つ鮎川。
「バットの先でちょっと擦っただけで、こんなになっちゃうなんて、先輩って案外、純情さんなんですね。かわいい」
鮎川は不気味に微笑みながら言う。
「もうちょっと続けてたら、もしかして、もしかしたかもしれませんね。ふふっ。でも、ダメですよ。練習中ですからね。気分良くなってる場合ではありません」
植草の表情がゆがむ。優しく擦っていた鮎川の指先が、今度は陰毛をつまみ、根こそぎ抜き取ろうとしているかのように、強く引っ張っていたからだ。
「頭の毛を剃るなら、下の毛も剃ればいいのに。ケジメとして。ふふっ」
そう言って、ギリギリのところで鮎川は手を離した。
「いいでしょう。よく我慢できましたね。反抗しなかったご褒美です。ブルマを返しましょう」
鮎川は、まるで幼稚園児をあやしているかのように言う。
植草はブルマを受け取ると、それをすぐに足に通す。その間に、鮎川はバスの背後に近づくと、手元に残った下着をマフラーに引っ掛けた。排気ガスでドス黒く汚れたその部分は、可愛らしい下着を一瞬で汚した。
「さて、練習の続きをします。次は筋トレですね。いつものメニュー100回ずつやってください」
植草は、腹筋100回、背筋100回を軽くこなす。この辺はさすがである。駐車場のアスファルトの砂ぼこりで、汗を含んだTシャツは土色に汚れていく。太ももや腕など、露出した肌の部分も汗にまみれて小石や砂がついていた。