教育的指導 > 早朝教育
――次の日の朝。
「よし、揃ったな。じゃあ、各自移動して、作業開始!」
私は、指示を出す。
これは、早朝清掃だ。前日の清掃の時間に指導を受けた生徒が、その罰として参加する。今回の作業は草むしり。
もちろん、前日私が指導した相田真由もいる。
しかし、谷垣由佳の姿がない。彼女は、あの体育教師から指導を受けているはずだ。それも、その日二回目の指導で、赤い首輪になり、指導室で体育教師による教育を受けたはずだ。
「はぁはぁはぁ……す、すいません。お……遅れました……」
定刻を四分半ほど過ぎたとき、谷垣由佳が私の前に現れた。
「すいません。すいません。すいません。……」
彼女はとにかく謝る。謝ることで、この後の罰が軽くなるとでも思っているようだ。
私は容赦しない。
パシッ!
彼女の頬にビンタをする。彼女がふらつく。
「四分半の遅刻だ。とにかく今は、早く着替えて作業に加わるように」
私は宣言する。そして、彼女に黄色い首輪をつける。
「よし、そこまで」
私は、予鈴が鳴ったところで作業を止めさせ、整列させる。
「担当場所の草むしりが終わってないものは、前に出てこい!」
何人かの生徒が前に出る。もちろん遅刻をした谷垣由佳もその一人。
私は彼女たちに、黄色い首輪をつける。谷垣由佳には黄色い首輪をはずしてから、赤い首輪をつける。
「昼休み中には終わらせるように。終わったら職員室の私のところに来なさい。指導後、首輪をはずしてやる」
『はいっ。』
昼休み、職員室の私のところに、何人かの生徒がやってくる。
そのたびに私は、その生徒にパドルでお尻叩きでの指導を与え、黄色い首輪をはずしてやる。
谷垣由佳もあらわれ、パドルでの指導を受けたが、彼女の赤い首輪はそのままだ。
「えっ? 先生……首輪は……」
「はぁ? おまえのは、そのままだ。放課後、指導室に来るように」
「……はい」
――放課後。
私が指導室に行くと、谷垣由佳は既にそこにいた。彼女は昨日に続き、二日連続で指導室だ。
指導室は、本来進路相談や生活相談のためのスペースだが、その目的で使われることはほとんどない。
もっぱら、罰を受けるための部屋となっていて、パドルも当然のように用意されている。
さらに、床には50cm四方の正方形の形にテープが張られていて、罰のために指導室に呼ばれた生徒は、その正方形の中心に正座をするのが決まりだ。
「なにか、言うことは?」
「き、今日は……遅刻をしてしまい、すいませんでした」
「罰則は?」
「遅刻の時間の10倍の数のお尻叩きです」
「四分半の遅刻だ。パドルでのお尻叩き45回! 準備しろ!」
「……はい」