聖ヶ台学院 > 8月 夏合宿は地獄の恥かき p.04
地獄の夏合宿最終日。
半袖・ブルマ姿の正式部員の前で、私と舞佳ちゃん、二人の仮部員がパンツ・スポブラ姿で並んでいます。
私たちにとって大事なイベントが行われます。それは、今からみんなの前で、正式部員になるための試験を受けるのです。
試験管は、一応、いつも通り高等部の部長ですが、不合格の宣告は誰がしてもよい、ということになっていました。
全員に見守られながら、監視されながら試験が始まりました。
第一段階の準備体操の試験。悔しいことに、合宿中コーチに触られながら、練習したことで、力の入れ方が分かるようになっていました。
今考えてみると、合宿前は、教わった形通りにマネをすることに一生懸命で、力の入れ具合やタイミングが全く分かっていませんでした。
第一段階クリアです。
第二段階、基礎体力の試験。二週間に及ぶ合宿と罰トレーニングの影響で、疲れが残っていて、乗り切れるのか、正直不安がありました。
しかし、ここは、今までのしごきを思い出して、気合いで乗り切ります。
私は、一つ一つの姿勢に気をつけながら、筋トレをこなしていきます。そして、とうとう、最終項目のスクワット100回を終えました。
もちろん、舞佳ちゃんも一緒です。
夏合宿最終日、私はついに試験に合格し、正式な部員として認められました。もう、パンツとスポブラで練習しなくてよいのです。憧れの競泳水着で練習することが、泳ぐことが出来るのです。
<やったー。長かったー。やっとこれで水泳部員になれたんだー>
これからも、コーチや先輩たちのしごきは続くでしょう。でも、それもきっと乗り越えてみせます。憧れのこの競泳水着と一緒に……。
■ 12月12日(日) ■
正式部員なって四ヶ月。やっとこの競泳水着が板に付いてきました。と、自分では思っています……。
今年は、例年より寒く、天気予報では、異常気象だと言っています。今朝も、少しですが、雪が降っていました。
校庭では、テニス部や陸上部、いろいろな部が寒い中練習に励んでいました。グラウンドの真ん中では、ソフトボール部が試合をしています。周辺の何校かが集まっての合同練習のようです。
同じクラスでソフトボール部のお友達の顔が見えます。そのお友達も含め、中1部員はこの寒い中、半袖・ブルマ姿で練習に参加していました。ソフトボール部も、なかなか厳しい部なのです。
でも、私たち水泳部に寒さは関係ありません。専用の室内プールでの練習です。
日曜日は、中学部・高等部合同練習の日。
「何なのこれは! どうなってるの!」
更衣室で着替えていると、高等部の部長の声が聞こえてきました。
「全員集合!」
まだ、部活の開始時刻には時間があります。しかし、部長は、全員に集合をかけました。
部長を前に、六学年が六列に整列します。
「更衣室がすごい汚いようだけど、どういうこと?」
部長は全員に問いただします。
夏合宿でコーチから影響を受けたのか、部長は、練習よりもしつけに関して厳しくなっていました。
前日の土曜日、更衣室を使ったのは私たち中学部、そして、更衣室の掃除は、私たち中1部員の仕事です。全員を集合させた、高等部の部長ですが、明らかに私たち中1部員に注意を与えています。
「どうなってんだよ?」
しかし、予想に反して、高等部の部長は、中学部の部長を指名します。
「はい。更衣室の掃除は中1の役割でして……」
「それを監視するのがお前の役割だろが」
「は、はい。ただ、その……。育成担当は中2の……」
「だから、その育成担当がダメなのはお前がしっかりしてないからだろ! それも含めてお前の役割だ!」
「……はい」
ただでさえ悪かった、高等部部長の機嫌が、中学部部長が素直に謝らず、少し反抗してしまったことで、ますます悪化してしまいました。
<なんか……これ……。まずい展開だよな……>
「中学部部長、責任者として監視不足、お尻10回」
「は、はい。お願いします!」
中学部部長はあわてて、お尻叩きの姿勢を作ります。
高等部部長は、お尻を叩く前に、突き出したお尻を包む競泳水着の部分をグッとつまみあげました。競泳水着がお尻のワレメに食い込み、お尻のほっぺの部分がむき出しになります。
そして、高等部部長は、その突き出されている、お尻のほっぺの部分を、左右順に叩いていきました。
<うゎー。やばいよ、絶対にやばいって……。私たちのせいなのに……>
「まったくっ! 更衣室の掃除もまともに出来ないあんたたちに、練習なんかさせらんない。中学部は全員、外行ってこい!」
この「外行ってこい」というのは、ときどき行われる罰の一つで、競泳水着のまま、素足でグラウンドを走ることでした。
外では他の部が練習をしています。その中を競泳水着のまま走らされるのです。私たちは「罰走」と呼んでいました。
しかも、今日、外はとても寒く、朝は雪が降っていました。グラウンドでは、ソフトボール部が他校との合同練習をしていて、他の学校の生徒や先生たちもいます。
そんな中を、中学部16人は罰走することになってしまいました。
グラウンドに移動する間、私たち中1部員は先輩たちに睨まれ続けました。私たちのせいでお尻叩きを受けた部長は、逆に私たちのほうをまったく見ません。
競泳水着姿の中学部16人は、二列に並び、グラウンドを走り始めます。
テニス部の前を通ればテニス部員に、陸上部の横を通れば陸上部員にじろじろ見られます。ソフトボール部のところでは、他校の生徒や先生たちが、何事かという顔をしています。
私たちは、その中を通って、ひたすら走ります。だんだん足の裏が痛くなります。グラウンドの細かい石と、寒さでおかしくなってしまいそうです。
高等部の部長が、たまに監視に来ますが、お許しはでません。罰走は、お許しがもらえるまで永遠に終わらないのです。
初めのうちは、今何周目か数えていましたが、もう分からなくなっています。少なくとも20周を超えていることは確実です。
正午を回り、ほとんどの部がお昼休憩に入ります。
他の部の人たちが、お弁当を食べている中、私たち16人は競泳水着で罰走を続けます。足元は、寒さで感覚がなくなってきていますが、体は熱く、競泳水着が汗でぬれてきました。
「ストップ!」
やっと、お許しがでました。
「2、3年は昼食の後、通常練習。汗かいてるだろうから、よくシャワー浴びとくように!」
「はい。ありがとうございます!」
先輩たちが解放されました。
「1年。あんたたちは、どうしたい?」
<え? 何て答えればいいんだろう……。それは、やっぱり練習したいけど……。とりあえず言ってみよう>
「わ、私たちも……練習したいです」
「1年は、10分後、更衣室前に集合。昼、食べたかったら、10分以内。遅れるんじゃないよ!」
「は、はい!」
どうやら私の言葉は無視されたようです。
私は、とりあえず、持ってきたおにぎりを口の中にほおばって、おトイレに駆け込みます。罰走の途中から、限界だったのです。
おトイレで食べるのは抵抗があるけど、時間がありません。一緒にこなすしかないのです。私は、おしっこをしながら、おにぎりを食べきりました。
10分後、更衣室前に集合します。
すでに高等部部長が時計を見ながら、待ち構えていました。私たちは何とか、ぎりぎり時間内に整列しました。
「莉子! あんた練習したいんだったよね。たっぷり掃除の練習させてあげるから」
「えっ……。あっ、は、はい」
「それから、掃除も出来ないあんたたちを、部員とは認めないから。準備して!」
部長の言葉は、部員とは認めない、それは、競泳水着を着させない、つまり、脱衣罰を意味していました。
「早く準備しろ! また外行かせるぞ!」
私たちは、久しぶりに六人揃って脱衣罰を受けました。
真央ちゃんのお股には、毛がしっかり生えていて、お股のワレメが隠れていました。他にもうっすらと生えている人がいました。
舞佳ちゃんと私のお股は、相変わらずツルツルのまま、お股のタテ線がしっかり見えていました。
私たちは、部長に指導されながら、更衣室の隅々まで掃除を行いました。
練習終了後、中学部の2、3年生たちに呼び出された私たちが、お尻を真っ赤にしたことは、言うまでもありません。