誠清女子学苑 > 下っ端部員は絶体絶命 p.03
■ 先輩部員の覚悟 ■
まだ涙が止まらない人が何人かいました。私はそもそもツルツルだったけど、もし自分も剃らなきゃいけない方だったら、やっぱり泣いていたと思います。
待っている間、三澤先輩がその場には似つかわしくない、どうでもいい話をして場を和ませていました。
足音がします。
そのときにはもう全員が泣き止んで、これから自分たちが立ち向かう地獄に、覚悟を決めていました。
畠中部長が列に加わり、監督の前に36人のツルツルのお股が、丸見えのワレメが並びます。監督は全員のお股をざっと見渡し、言いました。
「そうか……わかった。お前らの覚悟、結束力と団結力は理解した」
「「「…………」」」
「これから、ひとりひとりの覚悟を確認していく」
「「「…………」」」
「畠中!」
そう言うと監督は、畠中部長を呼びました。監督と部長の二人は、私たちが整列しているところから離れていきました。
私たちはこのとき、部活棟の西側に整列していました。監督と部長は、私たちとは反対サイドの東側まで移動していきます。私の位置からは、二人の姿は見えるものの、話し声は聞こえないくらい離れていました。
<ひとりひとりの覚悟……。私は覚悟を監督に伝えられるかな……。頑張れるかな……>
監督と畠中先輩が何か話しています。監督の前で、畠中先輩は直立不動の状態で、監督の目を見つめています。
畠中先輩が、監督に頭を下げました。私たちの前で、格好よくお説教した先輩が、いまは、監督の前で裸で立たされています。素っ裸の畠中先輩、3年生なのにツルツルお股の先輩、ワレメ丸見えの先輩。
おそらく先輩も、みんなに見られていることは分かっているでしょう。プライドはズタズタなはずです。多分泣きたいくらい悔しいでしょう。私たちに見て欲しくないでしょう。畠中先輩は、ほかの部員の見本になるように、私たち後輩に、覚悟の見せ方を伝えているようでした。
ひと通り話が終わったらしく、今度は畠中先輩が、肩幅くらいに足を開きました。同時に両腕をあげて、頭の後ろで手を組みます。
監督が動きます。監督の体で、畠中先輩が隠れました。
監督が右の腕を少し前に持ち上げます。監督の手が畠中先輩のお股にのびました……のびたように見えます。監督の体で隠れていて、監督と畠中先輩の間で何が行われているのかよく分かりませんでした。
しばらくその状態が続きました。30秒か一分か、畠中先輩は手を頭の後ろに組んだまま動きません。監督の右手だけが動いているように見えます。
畠中先輩の顔の前に、監督の右手が、差し出されました。
またしばらく話してから、監督は右側のフェンス指差します。畠中先輩は、監督が指をさした先にあるフェンス際に移動し、背筋を伸ばして、気を付けの姿勢をとりました。
<今、何してたんだろう? 部長だけ……じゃないよね。ひとりひとりの覚悟って言ってたもんね。多分、全員だよね>
監督が振り返り、こちらに向かって、手招きしています。副部長の会田先輩が走って監督のところまで行きました。
<やっぱり、順番に監督のところに行くんだよね。何してるんだろう? 何されるんだろう?>
私は不安になって、何をしているのか、ほかの人に聞いておきたくなりました。しかし、キョロキョロしていると、頭に軽くゲンコツされました。コーチが近くにいたのです。私はまた気を付けの姿勢をとって、会田先輩を見ることにしました。
会田先輩も同じように、監督とお話をしてから、足を肩幅くらいに開いて、手を頭の後ろに持っていきました。やっぱり、監督の手が会田先輩のお股にのびているように見えます。
<監督にお股触られるんだ……>
私は、四ヶ月ほど前に、美咲ちゃんのお股のワレメを触ったこと、美咲ちゃんにお股のワレメをスリスリされたことを思い出しました。
会田先輩もフェンス際に移動し、畠中先輩の隣に並んで、気を付けの姿勢をとりました。
監督が振り向くのと同時ぐらいに、村木先輩が走り出しました。
今までとまったく同じ流れです。ただ、最後だけが違っていました。監督は今までとは逆側、左側のフェンスを指差しました。村木先輩は、部長と副部長とは反対側のフェンス際に移動し、気を付けの姿勢をとります。
澤口先輩のときに確信しました。
澤口先輩は、背が高いので、監督の体では、隠れきっていませんでした。しかも、いままでと少しだけ監督の位置がずれていたのです。
監督の右手は、確実に、澤口先輩のお股に触れています。しかも、私と美咲ちゃんのときのように、指先でスリスリしたとかいうレベルではありません。監督の手は、澤口先輩のお股を完全に包み込んでいます。しばらくその状態が続き、監督は左側を指差しました。
これで、右側に畠中先輩と会田先輩。左側に村木先輩と澤口先輩が並びました。
その後、3年生12人が監督に覚悟を見せました。
だいたいの流れは分かりました。
前の人が終わったら、監督のところまで走って行く。監督の前で、気を付けをし、監督とお話をする。内容は聞こえなかったけど、多分、今までのことの注意を受けたり、そのことについての反省を気持ちを伝えたり、または、これからのことについて何か言われたり、自分で覚悟を宣言したりするのでしょう。
<まずい……今日、監督に二回もお許しをお願いに行ったんだ……すごく怒られるかも>
お話が終わったあとは、足を肩幅に開いて、手を頭の後ろで組む。
<監督にお股触られるのか……でも、覚悟見せなきゃ……頑張らないと……。あっ、私どっちだろう>
お股を触られるとき、すぐ終わる人と、しばらくの間、触られ続けている人がいることに気がついていました。
<すぐ終わってくれればいいな……>
それが終わると、フェンス際に整列です。これもちょっと謎でした。いま12人の3年生は、右側に八人、左側に四人です。平等に分けているわけではないようです。
<何を基準に決めてるんだろう……私はどっちチームかな?>
2年生が始まりました。
伊東先輩です。伊東先輩はお話がすごく長かったですが、お触りは一瞬でした。左側チームです。
奥垣先輩です。奥垣先輩はお話が短くて、お触りが長かったです。右側チームです。
次々に順番が進み、自分の番が近づいてきました。2年生もあと二人。ゆいな先輩とゆうな先輩です。
<えっ! うそ、そんなこと……>
ゆいな先輩のときに気がつきました。お触りのときに、お股を包んだ監督の右手。その右手の中指が、ワレメの中に入っているのが見えたのです。
私は、ゆうな先輩のときにもう一度確認しました。やっぱり入っています。監督の中指が、ゆうな先輩のお股のワレメの中に入ってました。
すると、またコーチのゲンコツが飛んできました。私は無意識のうちに、思わず自分のお股のワレメを触ってしまっていたのです。