誠清女子学苑 > 下っ端部員の存在意義 p.03

■ 下っ端部員は愛玩具 ■

1年生12人が、相変わらず素っ裸で壁際に整列しています。いつの間にか、2年生も何人かいました。ガラス越しに廊下から覗いている人もいます。完全に見世物になっている私たちですが、すでにもう10分以上先輩たちから無視されています。

素っ裸で整列している私たちの前で、先輩たちは、まるで私たちが見えていないかのように、おしゃべりを続けています。わざとなのか、それとも明日がお休みの日だからテンションが上がっているのか、本当に楽しそうにお話しています。

ただ、ときどき三澤先輩がこんな風な指示してきます。私たちは、指示を聞くとすぐにそのポーズをとります。

「1年、回れ右!」
「全員、きりん!」
「はい、かえる!」

その中で、「ベイビー」という指示がありました。この指示は初めてで、コーチからも習っていませんでした。

「なに? あんたたち教えてもらってないの?」

戸惑う私たちにそう言うと、先輩は「ベイビー」の説明を始めました。

「ベイビー」とは、仰向けに寝てから、ひざを曲げて、足をお腹の辺りまで持ってきます。左右の足のひざのすぐ下あたりを持って、その手を左右に広げます。

ちょうど、赤ちゃんがオシメを取り替えるときにするようなポーズです。先輩たちの方からは、私たちのお尻やお尻の穴、お股やお股のワレメが丸見えです。もしかしたら、さっき美咲ちゃんがやらされていたように、お股のワレメの中まで見えてしまっているかもしれません。

先輩たちの指示がエスカレートしだします。指示を出すのが、三澤先輩だけではなくなりました。誰からともなく、声が飛んできます。

「はい。ひざついて、四つんばい!」
「そのまま、お尻の穴に力入れて! はい、力抜いて~。はい、また力入れる! くり返してヒクヒク動かそう」
「はい、今度はそのまま、左足後ろに上げる~。はい、もっともっとピンと伸ばす!」

「茎名、見て欲しいんだろ! もっと開けよ」
「須藤、ほくろ見えてるよ」
「満田、まだ紙付いてる!」
「岡中、なんか光ってるよ。テカテカ!」
「谷藤、ちゃんと拭いてんの?」

先輩たちは、私たちに恥ずかしいポーズの指示を出し、恥ずかしい言葉をかけてきます。そのたびに笑いが起こり、先輩たちは盛り上がってます。


「はい。一旦、立とう! 隣の人と二人組ね。お互い向き合って!」

私は隣の美咲ちゃんと向き合う形になりました。

「これからお互い触り合いっこね。じゃあ、まず左側の人。相手のちくびに人差し指でタッチ! 両手だよ! 右側の人は、人差し指で、相手のお股のワレメをなぞってあげよう」

私は美咲ちゃんと目を合わせ、少しうなずいてから、お互いに手を伸ばし始めました。ここで、澤口先輩がべらを持って、立ち上がります。ズルは出来ません。ちゃんとやらなければ、叩かれます。

私のおっぱいに、美咲ちゃんの人差し指が触れました。私の人差し指も、美咲ちゃんのワレメに触れます。美咲ちゃんのお股のワレメは、私が思っていたよりも硬くて、ぎゅっと閉じられた感じがしました。

<ごめんね。美咲ちゃん……>

「はい、交代~!」

私は、美咲ちゃんのおっぱいに触れます。薄いピンク色で、小さくてきれいなちくびでした。美咲ちゃんの指が、私のワレメをなぞっています。下から上に、上から下に、スリスリ、スリスリ。

<大丈夫だよ。ちゃんと拭いてるもん私……>

「じゃあ、そろそろ最後にしよっか。ゲーム大会始め~! 今日のゲームは尻文字大会で~す」

「「「………………」」」

「じゃあ、今のペアのまま。今度はそっち、谷藤から行くぞ~」

私と美咲ちゃんが前に出ます。三澤先輩が、私に得意の耳打ちをします。私は後ろを向いて、みんなにお尻を向けました。

私のお尻の動きを見て、美咲ちゃんが答えます。

一回目。ちょっと恥ずかしかったので、私の動きが小さくなってしまったのか、美咲ちゃんは答えられませんでした。

二回目。多分伝わったはず。でも美咲ちゃんが答えてくれるか不安でした。その答えは、ちょっと恥ずかしい言葉で、しかも、回答者は、その言葉の意味も答えなくてはいけなかったのです。やっぱり美咲ちゃんは答えられません。

三回目。ラストチャンスです。ここで間違えたり、答えられなければ、私のお尻にべらが飛んできます。私は、三澤先輩の指示で、すでにお尻を突き出したポーズで待っています。すぐ後ろでは澤口先輩がべらを持って素振りをしています。

<お願い。美咲ちゃん、答えて!>

「お……おま……おまんこ、です」

<やった~。ありがと、美咲ちゃん>

私は後ろを振り返り、美咲ちゃんを見ました。

「意味は?」
「あ、あの……女の子の……」

「谷藤! 歯食いしばっとけよ」
「女の子のあそこです」

「あそこって?」
「女の子の……お……」

「いくぞ、谷藤!」
「ご、ごめんなさい。答えます、答えますから……。女の子のおしっこが出るところです」

「茎名のおしっこはどこから出てくるんだ?」
「え?」

「タイムアップ! 谷藤、いくぞ~」

私は目をつむって、お尻に力を入れました。

「ここです。私のおしっこは、ここから出てきます」

目を開けると、美咲ちゃんは、自分のお股のワレメの部分を指差して、先輩たちに示していました。

「へ~。茎名のおしっこはそこから出てくるんだ。どうやって?」

美咲ちゃんは、みんなの前でしゃがんで、トイレでするみたいな格好になりました。

「わ……私はこうやって、お……おしっこをします。こ……ここの部分から、こうやって出します」

美咲ちゃんは、指で示しながら、おしっこをするマネをしました。

「しょうがないな。良しとしよう。合格!」

<あ……ありがとう美咲ちゃん。私も頑張るからね>


交代です。今度は美咲ちゃんが、三澤先輩に耳打ちをされ、尻文字を始めました。私が答える番です。

<……またそれか……もういいよ。しつこいって、いいかげん>

私はすぐに答えが分かりました。三澤先輩が考えることは一つです。私は一文字目で、だいたい予測が出来ました。答えは「パンツのシミ」です。あとは、その意味をどう説明するのか、先輩たちの突込みを、いかにかわすのかが問題です。

「答えは、パンツのシミ、です。意味は……」

「実物で示して!」

私は、もう何時間も前に、急いで脱いだ、10秒以内で脱いだパンツを拾いにいきました。それはブルマと一緒になって、丸まっていました。

<……!?>

私はあせりました。シミがありません。シミになっていて欲しくないときに、なっているくせに、シミができていて欲しいときに、できてないのです。

私は、口で説明しようとしました。

「あ……あの、パンツのシミというのは、その……おしっこ……」
「実物で見せて!」

「いや、これには、シミができていないので……」
「他にもあるでしょ。あと、11枚も!」

私は、みんなの方を見ました。裸で整列しているみんなは、うつむいています。美咲ちゃんを見たら、少しうなずくようなしぐさをしたので、私は、隣に脱ぎ捨てられていた、美咲ちゃんのパンツを手に取りました。

シミはありません。私は順々に、パンツを確認していきました。シミはなかなか見つかりません。このままなかったら私はどうなるんだろ、と思っていたとき、ついに見つけました。ほんのわずかに、小さなシミだったけど、間違えなくシミです。

瑛ちゃんのパンツです。私は小声で瑛ちゃんに、「ゴメン。いいい?」と聞きました。瑛ちゃんは、「ううん。大丈夫。いいよ」と言ってくれました。

私は先輩たちの前で、瑛ちゃんのパンツを広げ、「これがパンツのシミです」と答えました。

「何でパンツにシミができんの? 拭いてないの?」

瑛ちゃんは完全にとばっちりです。私はすかさず答えました。

「いや、その……ちゃんと拭いても……シミになるときもあって……」

「詳しいじゃん、谷藤。まさか、お前もパンツにシミつくったことあんの?」

ここで、3年生たちの間で、笑いが起こって、私と美咲ちゃんの尻文字は終わりました。

そのあとも、順番にペアで前に出て、尻文字をしていきました。みんな恥ずかしい言葉を言わされ、その意味を答えました。意味が分からないときは辞書で調べて、それを読み上げます。

私には、意味が分からない言葉がいくつかありました。更にいくつかの言葉は、正直、意味を聞いてもあまりよく分かりませんでした。

尻文字大会の途中で、何人かの先輩は、【1年部屋】を出て行きました。もう、だいぶ遅い時間です。自分の部屋に戻ったようです。

尻文字大会が終わると、3年生たちは、全員自分たちの部屋に戻りました。私たちがホッとしかけたとき、今度は2年生の手に、べらが渡っていました。3年生なき今、この【1年部屋】の独裁者は2年生の先輩です。

2年生は、私たちの裸のお尻を、べらで力いっぱい、何度も何度も叩きました。いつも3年生が私たちにやっているように……。去年、2年生が先輩たちにやられたように……。

結局すべてが終わったとき、時計は明け方4時を回っていました。悪夢のような、四時間が終わり、私たちは泣きながら、眠りにつきました。明日はお休みの日です。

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